JRの列車の修理や点検などをする岡山機関区(岡山市西島田町)の線路脇に、通勤用の駐車場を借りている。さまざまな列車が目の前に止めてあり、ちょっとした鉄道博物館のような感がある。
夏休みとあって、カメラを手にした中学生や孫の手を引いたお年寄りなどの姿をよく見かける。鉄道の人気は根強く、幅広い。JR岡山駅近くの岡山市デジタルミュージアムで開かれている「大鉄道展」(三十一日まで)も、にぎわいを見せる。
副題は「SLから新幹線まで」。明治、大正、昭和、平成の四つの時代を代表する列車のヘッドマークや模型、写真パネルなどが展示され、鉄道の魅力を伝える。
昭和三十年代に庶民のあこがれだった特急「つばめ」の一等展望車も実物大で再現されている。年配の人は懐かしそうに、子どもたちは興味深そうに目を輝かせる。
鉄道はなぜか鮮烈な思い出を伴う乗り物だ。就職や進学で古里を離れたほろ苦い朝、青春時代に寝台車で一人旅を楽しんだセンチメンタルな夜など、十人十色の記憶があろう。
「大鉄道展」会場のビルからJR岡山駅に出入りする列車が眼下に望め、旅心を誘う。最近はガソリン価格の高騰で、鉄道の利用者が増えているという。夏休みを利用し、新たな思い出をつくってみてはどうだろう。