島根県竹島の中学校新学習指導要領解説書への記述が韓国内で波紋を広げている問題に絡み、松本市で予定されていた韓国の権哲賢(クォンチョルヒョン)駐日大使の講演会と、東御市の日韓中学生の相互ホームステイが中止されたことが、29日分かった。
講演会は、在日本大韓民国民団県地方本部(松本市)の主催で、来月9日に村井仁知事ら150~200人を集めて開く予定だった。中止されたのは、一時帰国した大使の再来日のめどが立たないことが理由。同本部は「韓日友好親善のため開催したかった」と残念がった。
また、東御市の「無窮花会(むくげかい)」は毎年の夏休みに日韓中学生の相互ホームステイを実施。今年は両国の生徒5人ずつが4泊5日の日程でそれぞれ滞在する予定だったが、直前になって韓国側から「中止する」との連絡があったという。岡部憲一事務局長は「準備をしてきただけに子供たちもがっかりしている」と肩を落とす。
一方、来月3日には、金文淑(キムムンスク)舞踊団の女性ら18人が来県し、長野市の「日韓市民文化交流in松代」で公演する。翌4日には、市内で市民共用自転車を推進する市民団体「NASL(ナッスル)地球環境フォーラム」の活動にも協力する。倉嶋康代表は「竹島問題でどうなるかと心配したが、『こういう時だからこそ』と実現した。草の根の交流を深めたい」と語った。【光田宗義】
毎日新聞 2008年7月30日 地方版