21日の日記に関連しますが、私は「許す」ということについて深く考えた経験があります。まあ、こんな私でも、それだけ人間関係で悩んだ時期があったということです。(^_^; さすがに、どんなことで悩んだかを具体的に書くことはできません。とにかく「許せないほど憎たらしい」と思った人がいたということです。どうやってその憎しみの渦から抜け出せたのかというと、それが想像力でした。自分が今置かれている立場よりも、もっともっと悲惨な立場に置き換えて想像したのです。 自分の愛する娘が、暴漢に殺された立場に置き換えました。そんな憎たらしい犯人をも抱いてあげるのが、真の愛です。まさに、真のご父母様はそのような境地を越えておられます。私の娘がそんな目に遭ったら、私は真の愛で犯人を抱けるのか、想像してみました。 とても、すぐにはできそうにありませんでした。 まずは、「なぜ犯人がそんなことをしたのか知りたいだろうな」と思いました。むろん、それが分かったからといって、すぐに許せるわけもないのです。犯人のどんな事情を知ろうとも、納得するはずもないからです。仮に、不幸な犯人の境遇を知ったとしても、私にとっては不合理な内容になるはずです。「だからって殺すことはねえだろう!」と、さらに怒りが増すかもしれません。 しかし、そういうステップがなくては許せない、とも思いました。 娘を殺した犯人の動機が分かったとします。あるいは犯人の不幸な生い立ちが分かったとします。そういう「理解」ができたところで、それが即、許しに繋がるものでもないのです。犯人の事情を理解できたところで、娘を蹂躙された心が癒されることはないのです。しかし、少なくとも、「理解」もなければ、許しへのステップには行けない、ということです。 犯人の動機も事情も何も分からずに、ただ娘が殺されただけだとしたら、親はいつまで経っても犯人を許せないです。まずは真実を明らかにしてほしいと望むものです。 こんな想像から、許しへのステップは下記のような経緯をたどるのだろうなあ、と思うに至りました。 憤り→理解→誠意(謝罪)→許し→真の愛(怨讐を愛する) 相手への憤りだけの状態から、相手を理解するようになり、次に相手からの誠意(謝罪)を受け止め、そして許せるようになるのです。 「誠意(謝罪)」を原理用語で言えば、「蕩減条件」です。 お父様が日本を許せたのだって、日本で生活し、日本人を理解し、日本人が蕩減条件を立てた(日本食口の誠意)からです。その何ものもなければ、お父様だって許しようがありません(と思います)。そんな難しい許しを越えて、怨讐をも愛してしまったお父様は、偉大だということです。 相手が心から反省して、誠意をもって謝罪してきても、それでも許すのは「自分」です。許しの主体は、あくまでも自分自身であって、相手がどんなに誠意を尽くしてくれても、それだけで許せるものでもありません。あくまでも、最後の峠を越えるのは、許す主体者である自分自身だということです。 そう考えると、仮に自分が被害者だったとしても、自分が相手を許してあげない限り、相手は永遠に解放されないことに気づきました。何度も何度も謝罪しても、私が許さない限り、相手は苦しみ続けるのです。 許せない私も苦しいけれども、私自身が努力することで許せるようになり、その苦しみから解放されます。しかし相手は、自分の努力だけでは解放されないわけです。あくまでも被害者に許してもらわないと解放さません。考えてみれば、加害者の方が「いつ終わるか分からない苦しみ」にとらわれ続けるのです。 想像力を発揮して、ここまでのことを解明(?)しました。すると不思議なもので、今目の前で悩んでいた人間関係なんて、なんでもなくなりました。娘が殺されたわけでもないし、妻が誘拐されたわけでもない……、単に私のプライドが傷つけられただけで悶々と悩んでいたにすぎないことが分かりました。 そんな小さな問題は、「憤り」から「理解」へステップアップできれば、即「許し」へと進めます。相手からの誠意(謝罪)なんてなくても、相手の事情が理解できれば許せるものです。日常生活で遭遇する問題なんて、そんな程度のものだと気づきました。 私たちには、神様から与えられた想像力(イマジネーション)があります。お父様が歩まれた路程を学び、自分をその立場に置き換え、想像力を発揮することで、かなりの心情レベルまで到達できると思うのです。 あるいは、世の中の悲惨な事件・事故の報に接したとき、「怖いわねえ〜」と言って終わりにしないことです。自分をその立場に置き換え、想像力を発揮することで、いろんな心情を通過できます。想像するだけで苦しくなることも多いですが、私たちは万民を神様のもとに解放するべき責任がありますから、悲惨な立場に置かれた人々の心情の一端でも触れることは大切だと思います。 (注)上の論考は、あくまでの私の見解です。統一教会の公式見解ではありません。 |
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