不満である。福田改造内閣の少子化対策・男女共同参画担当大臣の人選のことだ。中山恭子氏が起用された。
誤解なきよう申し上げておくが、中山氏や前大臣の上川陽子氏の資質や意欲に疑問符をつけているわけではない。女性差別を意図したものでもない。中山氏には直面する問題に取り組んでほしい。
ただ、同大臣ポストが新設され猪口邦子氏、上川氏と女性が続いた。今回はぜひ男性に就いてほしかった。これらの問題は「女子供の問題」で、自分の問題と思っていない男性が多いのではないか、とかねがね感じているからだ。女性を引き続き起用した福田首相の意識も同様ではないか。
少子化問題では、長時間労働で育児に参加する時間がない男性の働き方をどう変えるかが問われている。
男女共同参画問題も、女性が職場に増えることで、いろいろな視点や価値観が加わり、業績にも反映する。その多様性のメリットを男性にどう理解してもらうかが求められている。
世の男性諸氏に「男の問題」との意識を持ってもらうには、少子化対策の旗振り役である大臣は男性の方がアピールできる。同対策は「待ったなし」と言う以上、改造ではこの視点も必要だった。残念だが、過分な期待だったかもしれない。なぜなら、小泉内閣当時の男女共同参画担当相は、官房長官だった福田首相だったのだから。 (鈴木 穣)
この記事を印刷する