東近江市平松町の湖東記念病院で06年に脳の手術を受けた同市内の主婦(当時56歳)が意識不明になり、7カ月後に死亡したのは十分な予防措置を怠ったことが原因として、遺族が同病院に慰謝料など約5900万円の損害賠償を求め、大津地裁彦根支部に提訴した。
訴状などによると、主婦は同年5月、脳血管撮影と脳の手術を受けた後、6時間の経過観察を経て病室に戻り、着替えようと、立ち上がった際、血栓が静脈にたまる肺塞栓(そくせん)を引き起こすなどし、意識不明になった。
原告側は▽脳の手術が1時間を超えるなど肺塞栓発生の複数の危険因子があった▽二つの予防措置しか取らず、他の措置を取らなかった▽倒れた後に看護師が医師を呼ばなかった--などと主張している。
これに対し、同病院は「リスクに応じた予防はした」としている。【金志尚】
毎日新聞 2008年8月7日 地方版