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経済対策に望む

2008年8月7日

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 福田改造内閣が発足した。消費者の視点から経済対策をうつというので期待したい。その際、間違っても頭痛がするからといってその原因も考えずに頭痛薬を処方するようなことはしないで欲しい。

 まず患者の症状を的確につかみ、原因を特定しなければならない。日本経済は昨年秋から不調を見せ始めたが、その前から予兆は見られた。景気の先行指数はその1年ぐらい前から警告を発していた。住宅建設や公共事業の減少が地方経済を圧迫、公的負担の増加も消費を圧迫していたからだ。

 そこへ原油や資源価格が上がり、食料価格が大きく上昇し、企業や個人の財布を圧迫した。しかし、消費者物価の感度が悪く、政府はデフレの認識から脱却できなかった。

 更に株価の下落が消費者や企業経営者に逆資産効果を与え、ムードを冷やした。その中には建設、不動産、ノンバンクの3業種に対する厳しい貸し出し審査や貸しはがしが見られ、中堅中小企業中心に資金繰り倒産が多発した。金融政策は低金利にあるが、実際には金融庁の検査や金融機関の貸し出しが一部の業種には極端に厳しい。

 つまり再び官僚の規制が建設、金融分野で厳しくなり、モノ、カネが流れず、それが株価を必要以上に押し下げる。輸入資源の価格が高騰し、家計の購買力が大きく圧迫されても、金利で物価高がカバーされず、欧米のように通貨高政策で輸入物価を抑えるわけでもない。

 市場を殺すほどの規制が必要か、再考を要す。公的負担、物価高、低金利の三重苦にある家計に負担が偏っていないか。カネをかけなくても対策は考えられる。国内農業の再建、資源開発などに、英知を結集する時だ。(千)

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