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08/06-12:50--検証外郭団体：県牛窓海洋スポーツ振興会　ヨットハーバー運営　財政危機で揺れる存続　指定管理者公募が焦点

　「日本のエーゲ海」と呼ばれる瀬戸内市牛窓町牛窓の瀬戸内海に面した岡山県牛窓ヨットハーバー。県牛窓海洋スポーツ振興会（理事長・岡﨑彬県商工会議所連合会長）などが管理し、県内唯一の総合ヨット係留施設として人気を集める。しかし、県の「財政危機宣言」で設置意義が議論されることになり、同会の存続も揺れている。　同ハーバーは、海洋スポーツの普及と県民の健康増進を目的に県が整備し、１９８７年に完成。約５００隻の保管施設、宿泊室付きの研修棟、クラブハウスなどを備え、総面積６万９千平方メートルの西日本有数の規模で、これまでに約２６億７千万円が投じられた。　同会は１９８６年、同ハーバー管理のため県の外郭団体として設立。基本財産は１億２４０万円で、うち２５００万円を県が出資。現在の役員は１３人で、県など行政関係は５人。職員は６人だが、常勤は３人しかいない。　県は年間約４千万円の業務委託料を支出し、０３～０５年度は１００万円以上の赤字が出たが、０６年度から指定管理者制度に移行。ＮＰＯ法人県セーリング連盟との共同運営とし、収支改善に努めてきた。　しかし、７月に発表された県の財政構造改革の「見直しの視点」で、公的施設は「施設そのものや提供するサービスの在り方を抜本的に見直す」と言及。突如、同ハーバーの設置意義そのものが問われることになった。　現在、係留するヨットは約３００隻。保管料は一般のディンギーヨットで年間４万円台、クルーザーで同４０万円台が中心。８月に入っても連日、県内外から愛好家がクルージングに訪れている。　０７年度は、ヨットスクールを約６０回、レース大会を約２０回開催。前年度比２２２万４千円の増収で黒字転換し、１５６万８千円の利益を出した。　ただ、来年３月末には、指定管理の期間満了を迎える。県は昨年度定めた「外郭団体改革プラン」で、同会が指定管理を継続できなかった場合、今後の在り方を検討すると定めているが、存続は厳しい状況に陥る。　次回、指定管理者が公募されるかどうかは、同ハーバーの設置意義と合わせて議論される予定。　同会の太田泰三事務局長は「サービス向上や経費節減に取り組み、収支改善に努めてきた。ヨットハーバーは牛窓町のシンボルの一つでもあり、海洋スポーツ振興のため今後も役割を果たしたい」と強調。　県港湾課は「財政構造改革に伴って今後を考えていくが、指定管理者制度移行に伴う０７年度の黒字化は評価できる」と話している。