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2008年8月7日

 来年から始まる裁判員制度で、一般の人たちが裁判員に選ばれる確率が公表された。都道府県別ではなくて全国50地裁別の数字になっている

前回の06年は金沢地裁の確率が全国1低い1万4800人に1人の割合だった。最高の大阪とは6倍近い開きがあった。それが今回の07年の数字では7410人に1人と下から10番目になった

金沢は事件数が1年で2倍になったことによって順位が激変したのである。一方、前回は下から8位だった富山は今回4位とさらに低くなった。元々事件が少ない北陸では年によって大きく変わる。一喜一憂する性格のものではない

が、大阪や千葉など人口が多くて事件数も多いところは高い選任率はそのままで、地方と大都市の地域格差が鮮明になった。新しく始まる国民の義務は「平等」でない点に問題が残ろう

視点を変えれば、この数字は地域の治安状況を示すと言えなくもない。裁判員になれば、身近な人間模様を目の当たりにすると同時に、県民性や地域特有の人間関係を垣間見ることにもなろう。見たいような見たくないような、複雑な心境である。


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