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【デジタル】気になる虫をケータイで『撮』集 ブログ使って『マイ昆虫図鑑』2008年7月28日
街角の緑陰や公園で目を凝らすと、さまざまな虫に出合う。でも、名前もわからない…。こんな時に役立つのが、いつも持ち歩いているカメラ付きケータイ。写真に撮っておけば後で調べられるし、ブログを利用すれば整理も手軽にできる。夏休みは、昆虫採集ならぬ昆虫「撮」集にチャレンジしてみては。 (ルポライター・森真由美) ベランダの家庭菜園で、謎の虫に出くわした。気になって、手元にあったカメラ付きケータイで写真に撮り、ネットで「昆虫 写真」を検索してみたところ、まもなく、それらしい写真が見つかり、コクロヒメテントウの幼虫と判明した。 ケータイの思わぬ使い道を再認識したが、同時に、生き物が苦手で昆虫採集には縁のない小学生の長男でも、昆虫「撮」集ならできるのでは、と気がついた。 写真の整理には「無料のブログサービスが便利」と聞き、「ケータイから利用できること」「写真用に容量が大きいこと」などを基準に、ライブドアブログを利用することに。新規登録画面で空メールを送信、指定された画面で個人情報を入力して、ライブドアIDと投稿用のメールアドレスを取得し、手続き完了。 さっそく子供の手を取り、近くの公園に「出陣」。 注意深く観察すると、木陰や植栽、遊具の脇など、あちらこちらで、たくさんの虫が見つかる。 ケータイのカメラを用意し、目当ての虫に忍び寄って接写モードで「カシャ!」。 その場で、写真付きメールにして「マイブログ」に送る。撮影時間は自動的に記録されるので、撮影場所をメールの件名に。写真の仕上がりはすぐ確認できるので、うまく撮れなかったらやり直し。 二時間余の探検で、出合った虫たちは数え切れないほど。もっとも、シジミチョウは何度近寄っても逃げられるし、カメラをかすめて飛ぶアシナガバチにはこっちが逃げ出し、アオスジアゲハの華麗な舞や交尾しながら飛ぶアゲハのユーモラスな動きには見ているだけで満足してしまい…。結局、首尾よく写真に納まったのは十種類ほど。 家に帰り、マイブログを開くと、送信した順に自動更新された虫の写真がずらりと並んでいる。 ネットで「虫情報」を調べてみた。図鑑や書物だけでは得られにくい情報が少なくない。大学や研究所のデータベースや専門家の解説も、無料で入手できるのがうれしい。ウィキペディアのような百科事典サイトも役に立つ。 写真も、昆虫図鑑では成虫を標本にした背面写真が多いのに、ネットではさまざまな角度から写した姿をチェックできる。光の角度でまるで違う色に見えることも。ダイナミックに変態する昆虫は、幼虫と成虫ではまったく違う姿形であることもよく分かる。 マイブログの写真を整理・分類すれば、たちまち「近所昆虫図鑑」のでき上がりだ。 身近な虫の世界を紹介するサイト「昆虫エクスプローラ」を主宰する川辺透さんは「写真を撮ることで、虫への嫌悪感が興味に変わるのでは」と期待する。 この夏は、カメラ付きケータイを片手に野外へ出て、虫を探してみては。意外な出合いや発見が待っているかも。夏休みの自由研究にも生かせそうだし…。 <水野泰志編集委員> 昆虫採集といえば、はるか昔の夏休みの宿題の定番だった。今や、カメラ付きケータイとブログを使って昆虫「撮」集とは。時代は変わる。 (泰)
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