大阪市浪速区役所で裏金口座解約後の残金約75万円が所在不明になっていた問題で、市監察部は6日、同区の元総務担当課長代理(07年3月に退職)がこのうち14万円を保管し、60万円は元部下に預けていたと明らかにした。元課長代理は当初、裏金への関与を否定していた。監察部は私的流用を図った疑いもあるとみて、刑事告訴も検討している。
浪速区役所では、旧税務担当部署が計約145万円の裏金をつくっていたことが明らかになっている。問題発覚後の7月上旬の調査で、旧税務担当の職員は「口座解約後の残金約75万円は総務の元課長代理に渡した」と話した。一方、元課長代理は受け取りを否定していた。
しかし、同月下旬になって、元課長代理は一転して、監察部に「数千円を業務で使う消耗品購入にあて、14万円は自分の銀行口座に入金し、残りの60万円は元部下に預けた」などと認めたという。元課長代理は、朝日新聞の取材に「正直に話せば現役職員に迷惑がかかると思い、言い出せなかった」と話した。