中国製の冷凍ギョーザによる中毒事件で新たな展開です。問題のギョーザが中国の国内でも流通し、それを食べた複数の中国人が有機リン系の殺虫剤「メタミドホス」による中毒症状を訴えていたことがわかりました。これで、日本で起きた事件についても、殺虫剤が中国で混入した可能性が強まりました。
「品質の安全性に問題はない 。我々が最大の被害者だ」(天洋食品、底夢路工場長 今年2月)
今年2月。報道陣にこう強調したのは、問題のギョーザを製造した中国・天洋食品の工場長。殺虫剤が入れられたのは中国か日本か? 見解は対立していました。
事件が発覚したのは今年1月。天洋食品で作られ、日本に輸入された冷凍ギョーザで、千葉と兵庫のあわせて10人が相次いで中毒症状を起こしたことがわかりました。
最大で残留農薬基準の10万3000倍という、極めて高い濃度の有機リン系の殺虫剤「メタミドホス」が検出。日本の警察当局は、メタミドホスが開封されていない袋の内側からも検出されたことや、不純物の鑑定結果などから、「日本国内で混入された可能性は極めて低い」と判断しました。
しかし、中国側はギョーザの袋の浸透実験などを行った上で、「中国国内での混入の可能性は低い」として、日中双方の見解は対立していました。
「中国国内で混入した可能性は極めて低い」(中国公安省刑事捜査局、余新民副局長 今年2月)
ところが6月中旬、中国国内でも、問題の天洋食品のギョーザで中毒が起きていたことがわかったのです。原因は同じメタミドホスと特定されました。
事件の発覚後、天洋食品は日本に輸出される前のギョーザを回収しましたが、一部が中国国内で流通し、それを食べた複数の中国人が中毒症状を訴えたということです。
これで、中国国内での混入の可能性が強まった形になりました。(06日17:58)