これも首位独走の余裕か。阪神・岡田監督が来季を視野に入れ、“ポスト矢野”探しに本腰を入れ始めた。5日の広島戦で、岩田の女房役に指名したのは、野口ではなく、1軍昇格したばかりの狩野。いきなり試練を与えたのも期待の裏返しだ。
先発が岩田の場合、「相性のよさ」を理由に野口がマスクをかぶる機会が多かったが、その慣例を破った。「今は矢野がいてないし、野口1人に全部任すのはしんどい。そろそろ年齢の若いヤツが出てこなあかん」と岡田監督。
狩野は昨年前半、サヨナラ打を放つなどブレーク寸前まで行きながら、リード面の悪さを指摘され、「キャッチャーの資質なし」(岡田監督)の烙印を押され、「ポスト矢野候補」から大きく後退。今回は北京五輪による矢野不在で巡ってきた残り少ないチャンスだった。
結局、広島に完敗し、「次は勝てるように頑張ります」と狩野。確かに結果は出なかったが、制球に苦しむ岩田(6回2失点)を必死にリードしたことに対し、「まずまずだったと思う」と木戸作戦兼バッテリーコーチ。若手捕手には苦言の多い岡田監督も「苦労しながらリードして(正捕手の座を)つかまなアカン」とケナすことはなかった。
ここにきての若手捕手起用ラッシュ。2位巨人とのゲーム差9を考えると、まだまだあわてる数字ではない。この機会に若手捕手を起用して、当たれば儲けモノ。もちろん、岡田阪神6年目をにらんでの布石だ。
「ウチは捕手が育たないといわれるけど、矢野が不動で使う機会がなかったから。何よりも経験が大事なポジションやから。優勝争いとは関係のないチームなら若手を思い切って使えるが、ウチはそうはいかないからな」と岡田監督。
「ポスト矢野候補」にとって、今は矢野不在と首位独走という野球人生でもそうはないビッグチャンス。ここで首脳陣の期待に応えられないようでは、それまでだ。
【関連記事】
・
虎、優勝M消滅…五輪組不在やっぱり不安や
・
原監督、二岡&坂本を猛特訓!自力V復活
・
【5日のプロ野球】阪神のVマジック消滅
・
【清水満のSPORTSマインド】清原復活劇は監督就任へのプロローグ?
・
日本代表の阪神・矢野、外野守備練習