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環境・自然・科学
ピロリ除菌効果を確認 浅香北大病院長 胃がん再発3分の1に(08/06 00:09)ヘリコバクター・ピロリ菌に感染した早期胃がん患者がピロリ菌を除菌すると、除菌しない場合に比べ再発率が三分の一に減ることが浅香正博・北大病院長らの臨床試験で分かった。患者を無作為に除菌と非除菌に二分し、他の要因を排除した世界初の試み。ピロリ菌を除菌すれば、胃がん発症を高確率で予防できることは既に分かっているが、再発予防にも効果があることが裏付けられた。 英医学誌ランセットに発表した。胃がんは再発率が5−20%と他のがんと比べ比較的高く、ピロリ菌を除菌しても再発はゼロにはならないが、防止効果があるとみられていた。ただ、どの程度の効果があるかを証明する臨床データはなかった。 研究には、北大病院を含む国内五十一医療機関が参加。二〇〇一年−〇三年に早期がんを内視鏡で切除した患者五百五人を対象に、本人の了解を得た上で二百五十五人は除菌、二百五十人は除菌せず、以降三年間、内視鏡で毎年再発の有無を確認した。 この結果、再発は除菌者が九例に対し非除菌者は二十四例で、再発率に約三倍の開きが出た。除菌者が再発した九例のうち三例は除菌失敗が原因とみられるため「実際は三倍以上の効果があるとみられる」(浅香院長)という。除菌効果が確認できたため、〇六年に非除菌者も除菌し臨床試験を終えた。再発者はいずれも早期段階で治療された。 従来の研究では、各医療機関の独自基準による診断、治療の結果を事後にまとめたデータしかなく、除菌以外の要因が排除できなかった。今回は参加医療機関が事前に診断基準や治療法を統一。患者を無作為に除菌と非除菌に割り当て、両グループの性別や年齢、がん進行度などの差をなくすことで、再発率の差に他の要因が入り込む余地をなくした。 国内の胃がん発症者は年二十一万人で年五万人が死亡している。 |
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