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【社会】

PCI贈賄 60万ドル日本から運ぶ?

2008年8月5日 夕刊

 政府開発援助(ODA)をめぐり大手コンサルタント会社「パシフィックコンサルタンツインターナショナル」(PCI)が、ベトナム・ホーチミン市幹部に約9000万円のわいろを贈っていた事件で、PCI社員が2003年分のわいろの現金60万ドル(約6600万円)を日本国内から航空機を使って運び込んでいた疑いのあることが関係者の話で分かった。東京地検特捜部はPCIが長年、多額の裏金を持ち込み、受注工作を続けていたとみて調べている。

 関係者によると、PCIは、04年ごろから、香港の代理店に年間1億円程度を送金して受注工作費に充てていたが、それ以前は、国内でつくった裏金1億円ほどを航空機で社員が運んでいた。

 少額のわいろについては、現地で提携するコンサルタント業者に支払う代金に上乗せして送金し、工作資金を捻出(ねんしゅつ)していたが、03年分の60万ドルは多額だったため、社員が国内から持ち込んだ分を充てたとみられる。

 この60万ドルは、香港の代理店の代表を務めていた元常務高須邦雄容疑者(65)=不正競争防止法違反容疑で逮捕=が直接、わいろとしてホーチミン市幹部に届けた。

 高須容疑者らは03年12月と06年8月、ホーチミン市の「東西ハイウエー・水環境業務管理局」の幹部に、サイゴン東西ハイウエー建設のコンサルタント業務を受注した謝礼などの趣旨で現金60万ドルと22万ドルを渡したとして特捜部に逮捕された。

 PCIは、国後島のディーゼル発電施設をめぐる偽計業務妨害事件で02年、関連先として本社などが特捜部に捜索されたことを機に、裏金づくりの発覚を防ぐため、香港の代理店に送金する手口を考案、ベトナムの高官らに対する受注工作の原資にしていた。

 

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