8月6日のながさきニュース
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長崎新聞
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「大病院必要」との声相次ぐ 公立病院改革プラン検討協

| 長崎市民病院と長崎原爆病院の統合などを検討する公立病院改革プラン検討協議会の初会合=県庁 |
公立病院改革プラン検討協議会(座長・立石副知事)は五日、県庁で初会合を開き、長崎地域分科会では長崎市民病院(新地町)と長崎原爆病院(茂里町)を統合した大規模病院建設の必要性を訴える意見が相次いだ。原爆病院の進藤和彦院長は「個人的には(市民病院と)合併したほうがいいと思う」と前向きな姿勢を示し、長崎市の智多正信副市長は「正式に申し入れがあれば検討したい」と述べた。
同協議会は、昨年十二月に総務省が公表した公立病院改革ガイドラインを受けて発足。市町と連携して県内の公立病院などの再編・ネットワーク化構想などを論議し、九月末までに県としての結論を取りまとめる。これに基づき各自治体が年度内に公立病院改革プランを策定する。
同協議会では全体会議の下に、長崎地域分科会と県北地域分科会を設置。このうち長崎地域分科会では、長崎大医学部が県と長崎市に要望している高度専門医療を担える大規模病院の建設に論議が集中した。
長崎大の河野茂医学部長は、二〇〇四年度に新臨床研修医制度が始まって以降、研修医が大都市の病院に流出している現状を報告し「高機能病院をつくらないと、地方の医療を支える人材の確保は難しい」と説明。市民病院と原爆病院の統合を検討する必要性を強調し、「(市民病院の建て替え計画が進んでいる)これがラストチャンス」との認識を示した。
原爆病院の進藤院長も「医療人材育成には、相当規模の病院が必要」とし、市民病院との統合は「(長崎原爆病院を運営する)日赤本社も容認していると思う」と説明。また「個人的には合併したほうがいいと思う」と前向きな姿勢を示した。
一方、市民病院は成人病センターと統合して四百五十床程度の新病院建設を計画しており、既に市民病院の現在地で用地買収などに着手。分科会では智多副市長や楠本征夫病院事業管理者がこれまでの経緯を説明したが、河野医学部長は「若い医師から見れば、現在の新病院建設計画は従来の市民病院とあまり変わらず、高度医療を提供できる病院の建設にはならない」と指摘した。
次回の同分科会では、長崎市民病院の建て替えで高度医療を提供できるかを具体的に協議する予定だが、市民病院と原爆病院の統合を求める声が大勢を占めるのは確実な情勢。長崎市の智多副市長は「正式な申し入れがあれば検討する」とする一方で現計画の見直しに否定的な見解も示しており、長崎市の対応が鍵を握ることになる。
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