久留米大学法学部の同窓会組織が二つに割れ、新同窓会側が旧同窓会側に預金引き渡しなどを求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁は、新同窓会側の控訴を棄却した。西理裁判長は「新たに同窓会が設立されたことで、旧同窓会に所属する財産を継承することにはならない」とした。旧組織の役員に求めた損害賠償についても「賠償し得るのは旧同窓会」とし請求を退けた。判決は10日付。
同大の法学部の同窓会は91年発足。入学時に大学に徴収委託している入会金(2万円)で運営してきたが、03年ごろから一部の卒業生が「運営費の管理がずさん」と反発し、05年5月に新同窓会を設立した。
大学側は新組織を公認したため、旧組織側が新組織側に名称使用禁止を求める訴訟を起こし、新組織側も旧組織側の役員らを相手に預金返還や損害賠償を求め提訴。地裁久留米支部は07年12月に双方の訴えを退け、新組織側のみが判決を不服として控訴していた。【丸山宗一郎】
〔筑後版〕
毎日新聞 2008年7月24日 地方版