08年度の最低賃金引き上げの目安額を決める中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)の小委員会は5日、最低賃金(現行時給平均687円)の引き上げ目安額を全国平均で15円程度と決めた。今年7月、「生活保護との整合性に配慮する」とした改正最低賃金法が施行され、最低賃金と生活保護費との乖離(かいり)額を目安に加えたため、最低賃金は初めて700円を超えるとみられる。
6日に開かれる中央最低賃金審議会で正式に目安が決まるが、97年度以来10年ぶりの大幅な引き上げとなった昨年度実績の14円を1円上回った。
最低賃金の目安額は、都道府県をA〜Dの4ランクに分けて提示。Aランクは東京、大阪など大都市部で15円、埼玉や京都などのBランクは11円、北海道や宮城、福岡などCランクは10円、青森、沖縄などDランクは7円とした。
06年度の生活保護データをもとにした07年度の最低賃金引き上げ額との比較では、東京、神奈川など12都道府県で生活保護を下回った。乖離額は神奈川県の89円が最大で秋田県の9円が最小。その他の県は乖離がなかった。小委員会は乖離額については、原則として2年、大幅な乖離は最大5年で解消することが適当として、解消年や幅は各都道府県の最低賃金審議会に委ねた。
各審議会は、これら二つの目安をもとに8月中に最低賃金を決める。例えば、ランクAで15円が示されている大阪府では乖離額が34円あり、乖離を2年で解消するとした場合は1年17円となり、ランクで示された改定目安を上回る。【東海林智】
(毎日新聞)
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