医師養成数「過去最大を一発でやるか」―舛添厚労相
舛添要一厚生労働相は8月5日、「安心と希望の医療確保ビジョン」具体化に関する検討会(座長=高久史麿・自治医科大学長)で、医師養成数の増について「できれば来年度予算で過去最大(の定員数までの増)を一発でやってしまおうか」と述べた。
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厚労相は検討会で次のように語った。
「来年度の予算を固めないといけない時期だ。救急医や産科医への直接の財政的な支援をすることは政府の方針として決まっている。具体的にどうするかだ。新しい鈴木恒夫文部科学相とは昔から親しくしている。彼が閣僚になった時に話したのは、『渡海さん(前文科相)と約束したから、ちゃんと医師の数を増やすべきである』と。彼は、自分の娘さんが関西からお産のために来たら、(かかっていた)病院から麻酔医がいなくなって『どこかに行ってほしい』と言われたので、(医療の現状を)非常によく分かっている。文科相とも連携を取りながら、まず医師の数をどうするか。先般の『骨太の方針2008』で『過去最大程度まで(医学部定員を増)』としているが、できれば今年度確定する来年度予算で過去最大(の定員数までの増)を一発でやってしまおうか。それでも足りない可能性があるから、需給の調整は見ながらやっていく。それを話すと、『10年がかりの悠長な話はやめてくれ。何とかならないか』と言われるので、研修制度の見直しや、再雇用のための再研修をどうするかなど、やっていきたい。
いろんなアイデアがあるが、地域のネットワークを地域に合った形でやる原則は守りたい。新しい内閣になっても基本的な方針は変わらない。救急医療体制の再構築は、福田内閣の最重要課題。きちんとしたデータと理論で要求すれば何とかなる。皆さんのご協力を頂きたい」
これについて厚労省医政局の担当者は検討会終了後、「今は各大学に医学部定員をどれぐらい増やせるか聞いているところだと思う。各大学の意向を聞いて決まっていくと思うので、大臣の思いとして、『大学ができるならやりたい』という意気込みを示したのだと思う」と語った。
更新:2008/08/05 21:47 キャリアブレイン
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