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離婚後300日規定:戸籍「父未定」改善を 日本女性と英国人の夫「真実拒否は残念」

 日本人女性が再婚した英国人男性の間に産んだ女児について、日本と英国で法律上の父親が異なることから戸籍に「未定」と記載されたのは問題として、女性らが4日、法務省と外務省に改善を求めた。女児の父親は、日本では離婚後300日規定で「前夫」だが、英国では「現夫」。未定となるのは「2国間で異なる場合は父未定とする」との法務省通達があるからだ。女性は「解決には日本で裁判するしかなく負担が大きい」と訴える。

 改善を求めたのは、東京出身の日本人女性と夫のジャーナリスト、ジェイソン・ケイリーさん(36)と娘のすみれフランシスちゃん(4)。法務省には、2国間で父親の推定が異なる場合は、現夫などを優先する通達を出すことを、また外務省には300日規定などをめぐる問題の在外公館への周知徹底--などを求めた。

 女性は93年に結婚した日本人男性と英国に渡ったが、02年12月に離婚。日本では再婚禁止期間(6カ月)があるが英国にはなく、ジェイソンさんと03年4月に再婚。8月に離婚後250日目にすみれちゃんを出産した。

 住んでいる英国では出生証明書に記載された父親が法律上の父親となるが、日本では300日規定で前夫である日本人男性が父親とされる。すみれちゃんが将来、日本国籍を選択できるようにと女性は日本で自身の戸籍にすみれちゃんを記載したが、法務省通達により特記事項として「父未定」と記載された。

 現夫であるジェイソンさんを父親とするには、300日規定により日本で調停や裁判をするしかない。要望後、東京都内で会見した女性は「夫と自分が裁判のため日本に戻るには経済的、精神的な負担が大きい」、ジェイソンさんも「真の父を拒否する日本の仕組みは残念だ」などと話した。【工藤哲】

毎日新聞 2008年8月5日 東京朝刊

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