四万十市で唯一、赤ちゃんが出産出来る病院。幡多地域では宿毛市の幡多けんみん病院とここの2カ所だけという。「生命の誕生には昼も夜も関係なく、いつ生まれるかもしれので気が抜けない」と話す。
学校の先生になりたかったが、高校3年の時、友人と一緒に医者になると決め、猛勉強。旧高知医科大(現高知大医学部)に合格した。卒業後、同大付属病院産婦人科で研修医として勤務。この時の教授から多くを学び、産婦人科医を選んだ。
この後、岡山市や県立西南病院(当時)、土佐市民病院などに勤務。幡多けんみん病院に勤務していた時は、高知大医学部臨床教授もしながら後進の指導も行った。縁があり、菊地産婦人科の副院長を1年半勤め、今年1月から院長に就任した。
これまでに取り上げた赤ちゃんは数千人。しかし、切迫早産や中毒症にかかるお母さんもあり、苦労して生まれてきた赤ちゃんを見て涙を流したこともあった。
なかには3日間がかりで出産ということもあるが、そんな時でも焦らず、根気強く、自然分娩(ぶんべん)を待つ。現在は性教育に力を入れ、小、中、高校生を対象にした講演会も開く。「うそは言わない。分からないことは分からない」を心がけている。サッカーの審判免許も持っている。【真明薫】
==============
【住所】四万十市中村桜町19
【電話】0880・34・3351
【診療科】産婦人科
【休診】日曜・祝日、水曜・土曜午後
毎日新聞 2008年8月5日 地方版