 ベールに包まれた宮崎監督の製作現場に迫る(クリックで拡大) |
最新映画「崖の上のポニョ」が大ヒット公開中の宮崎駿監督(67)。「ポニョ」の製作現場に密着したNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀スペシャル」(5日午後10時)では、作品にこめた“裏テーマ”が明かされる。
「プロフェッショナル」は昨年3月、「ポニョ」の構想段階だった宮崎監督を取材したドキュメンタリーを放送。その後も、のべ300日にわたって密着取材を続けた。
番組では、宮崎監督の半生も紹介。そこで浮かび上がるのが、亡き母・美子さんの存在の大きさだ。
美子さんは、宮崎監督が6歳のころ、結核菌で脊椎が冒される難病にかかった。その後、長い闘病生活を送り、息子の出世作「風の谷のナウシカ」の映画化が決まった矢先、72歳で亡くなった。
人類の存亡をかけ、傷つきながら闘うナウシカをはじめ、宮崎アニメの女性キャラクターには、気丈でやさしい美子さんのイメージが投影されているという。
「天空の城ラピュタ」の空賊・ドーラ、「となりのトトロ」の母親、「ハウルの動く城」のソフィー−。
「ポニョ」では、介護施設で車いす生活をする老人・トキがそうだ。普段は口が悪く、周囲にきつく当たっているが、後半で重要な役回りを演じる。人面魚・ポニョと仲良くなる5歳の少年・宗介をピンチから救うため、立ち上がるのだ。
宮崎監督は、トキら施設の老人たちの心情をイメージして久石譲(57)が作った曲を聴き、「おふくろを思い出しちゃってだめだ」と涙ぐむ。トキに母、宗介に自身を重ねて絵コンテ作りに苦心する。その姿を見ると、巨匠も生身の人間だというのがわかる。
NHKでは4日、「スカイ・クロラ」(公開中)の押井守監督(56)の特集番組「アニメ監督・押井守のメッセージ」(午後10時50分)を放送。アニメ界の2大巨頭の実像に迫る映像は貴重だ。
ZAKZAK 2008/08/04