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MonsterTV事件の怪

SKネットから発売されていた地デジチューナーユニット、「MonsterTV HDUS」が突然、出荷停止になった。SK社のウェブサイトにある7月30日付のニュースリリースには、「ソフトウェアを故意的に改ざんすると、本来持ち合わせている機能が正常に動作しない」ために出荷停止すると発表されているが、ユーザーによる改造の責任をメーカーが負ういわれはない。関係者によると、SK社は30日にB-CAS社から呼び出しを受け、即日、出荷を停止したという。

Wikiに情報が集められているが、問題は要するにHDUSのドライバを改造すると、B-CASのコピー制御信号を無視してコピー自由になるということだ。これはFriioと同じく違法行為ではなく、ARIBの決めた私的な規格に違反するだけだから、出荷停止する理由はない。B-CAS社が「HDUSを出荷停止しないとB-CASカードを発行しない」とSK社を脅したとすると、独禁法違反(不当な取引制限)の疑いがある。

さらにこれと同等のチューナーユニット(MonsterTV HDU)は、デルのPCにもOEM供給されており、これも同様の改造でコピー制御が解除できる。SK社がデルへのOEM供給を停止したら、OEM契約違反だ。デル社がSK社に供給を続けるよう法的措置を取れば、誰が出荷を止めたのかもはっきりするだろう。B-CASの問題はUSTR(米通商代表部)も注目しているので、非関税障壁として通商交渉の議題になる可能性もある。

ドライバの改造だけでコピー制御が外れるとすれば、他の同様のチューナーやボードでも改造は可能だ。関係者によれば、「SKの件は表に出たから騒ぎになっただけで、実態はほとんどの製品(テレビも含めて)がコピーフリーにできる。そういう改造部品がアキバで堂々と売られている」。つまり地デジのコピー制御は破綻したということだ。欧米では、デジタル放送の普及のためにPCへの搭載を奨励しているのに、日本ではこのようにPCによる地デジ視聴を妨害して、家電メーカーの独占を守ってきた。それが破綻したのは当然であり、2011年の地デジ完全移行にとっても朗報である。
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