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「報道と人権」で松本サリン事件の報道被害者、河野義行さんが講演=兵庫・尼崎

「報道と人権」で松本サリン事件の報道被害者、河野義行さんが講演=兵庫・尼崎
講演をする河野義行さん。兵庫県尼崎市の園田公民館にて。(撮影:鈴木義哉、12月7日)
【PJ 2007年12月08日】− 12月7日、兵庫県尼崎市の園田公民館にて、園田地区人権のつどい実行委員会の主催により、94年の松本サリン事件第一発見者の 河野義行さんが「報道と人権」と題した講演会が行われた。会場には多くの人が集まり関心の高さが伺われた。

松本サリン事件の報道被害を語る
 94年6月にあの松本サリン事件が起こった。「犬の異常、から妻が心配停止で病院にかつぎ込まれ私も入院しましたが、最初に病院に入ったこともあって特効薬の点滴も受けられました。サリンははっきりとした幻覚が見えますが廊下に流れているバッハの曲で教具が消えました。地獄で神様に会えたのです。そのバッハの曲をテープレコーダーで集中治療室(ICU)にいる妻に聞かせてあげました」と河野さんは話した。

入院中からマスコミが・・・
 「しかし、事件2日後からマスコミから取材要請が息子のところにあり、6月29日にはテレビで私を犯人扱いする報道があったため、ある人を通して永田弁護士に弁護を依頼しました。永田弁護士は一つは自分に助けを求める人がいる逃げて卑怯(ひきょう)者になりたくない。そして大きな理由として(事件で死亡した)7人の死因がはっきりしない状態で殺人罪での捜査令状を出す裁判所が許せないと言う理由で引き受けてくれました。案の定、弁護士のところには誹謗(ひぼう)中傷の手紙やFAXが殺到したそうですが・・・」

 「弁護士は依頼者の法的な利害関係としての言い分を信じてくれました。そして、入院して話ができない状況だったのに警察の事情聴取に応じなかったこと、昨日今日のことが分からなくなるほどおかしくなってしまった状態で聴取に応じたこともあって犯人扱いされました。自宅には写真の現像用の青酸化合物があり押収されました。長野県警は発表に反対だったそうですが警察庁は発表の方針でした」

 「『薬の調合を間違えた』と新聞に載りましたが、あれは警察の公式発表ではありません。中日新聞は『庭に薬の跡』と書いたのですが、書いた記者に聞くと航空写真から見て書いたそうで、薬の跡というのは庭の雑草を燃やした跡でした。発表される記事はすべて東京(警察庁)からの情報で地元(の記者)はかなり混乱したようです。産経新聞では『スナックやタクシーで20−30人殺せる薬を持っている』と書きましたが、事件の3年前からスナックに行っていません」

 「病院の行き帰りに乗ったタクシーの運転手が(言ったとされるタクシーの運転手が)『そんなことは言ってないと証言する』と言ってくれました。また、自宅に嫌がらせ電話が殺到しましたが、応対する息子に『お父さんはなにも悪いことはしていない。なにを言われても許してあげる。それで通せ』と言いました。逃げないこと、事件を通して大きなものをもらったと思います」

 「しかし、9月になると妻の医療行為は終わったとのことで、退院しなければならなくりそうだったのですが、当時の松本市長に嘆願書を出し市長が『河野氏の疑惑と奥さんの人権は別』との見解で奥さんの行き場所が決まるまで入院と言うことになりました。県警は年内に逮捕したかったようですが最初に取り調べた警部が『河野は犯人でない』と公判維持ができないという理由から職を賭して守ってくれました。実際、逮捕状を取るのは本当に簡単な事なのです」

 「そして1月には読売新聞がオウム真理教が山梨の上九一色村にサリンの残留物と言うスクープが出ると、息子がオウムの信者と言う報道が警察庁が流した情報として出ました。そして、もう提訴しかないと言うことで、3月20日に信濃毎日新聞と朝日新聞を提訴すると発表したその日に、地下鉄サリン事件がおきました」

 「新聞の方は『報道の自由に対する挑戦』としていましたが、謝罪文の掲載でこちらの臨む形で和解に持っていくことができました。また6月11日には松本警察の署長が謝罪に訪れ『河野・事件に関与せず』の発表となりました」

 「戦ってこられたのは妻が生きていたこと。会社や周りの人が支えてくれたからです。子犬がおぼれていても助ける。地域の力で支えてあげることだと思います」

 河野さんはこう語った。報道のあり方を問う貴重な講演に多くの人が熱心に話を聞き入っていた。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 鈴木 義哉【 兵庫県 】
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