こどもの患者さんが,ほかの医師から私のところへ紹介されてくるときのこと。
前にも書いたとおり初診は大切にしたいので,できるかぎり初めて来ていただくときはゆっくり時間を取れる診療枠の予約をお取りするようにしています。
だから,診察室でお会いする前にお電話でお話をすることが多いのですが。
お電話でお話を伺ってみると,意外と受診するかどうか迷ってらっしゃる親御さんも少なくありません。
「どんな診察をしていただけるんでしょうか?」
「息子(娘)と話をして心の傷を癒していただく治療なんでしょうか?」
「薬が出たりしますか?」
「検査とかあるんでしょうか?」
などなど,診療に対する疑問をいろいろ尋ねてくださったりして。
かかりつけの内科や小児科や,こどもを診ない精神科の先生から「専門の先生に診てもらわないと…」と言われた親御さんの不安や相当大きなものだろうと想像します。
なにしろ,すでに一度思い切って病院にかかっていみたにもかかわらず,「うちでは診られません」と言われているわけですから。
そんな状況でお電話をお受けしたとき,私は特にできるだけニュートラルな情報をお伝えするよう意識しています。
過剰に期待させるようなことを言って無理にでも受診に繋げなくてはとも思わないし,わざとガッカリさせるように振る舞って門前払いにするつもりもなくて。
紹介していただいた以上,できれば受診していただいて直接お話してみたいけれど,必ずしも受診していただくのが最善とは限らないし,今すぐ受診に繋がらなくても本当に受診しようという心の準備が整ってから改めて来ていただいてもいい,とも思うから。
だいたい,患者さんのいちばんそばにいて,患者さんのことがいちばんよくわかっているご家族よりも,初対面の私のほうがうまく「心の傷を癒す」なんてことはまずない,と正直なところ私は思っているのです。
ご家族の力で今の困りごとを乗り越えられるなら,それがいちばん!
ご家族でがんばってみて,それでもちょっと第3者の手を借りてみようかな,と思われたらそのときは利用していただいたらいいんです。
病院を,私たち医師を,うまく利用していただけたら嬉しいです♪

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