ブッシュ米大統領は明日、在任中3度目の韓国訪問を果たす。李明博(イ・ミョンバク)大統領とも3度目の首脳会談を行うことになる。たとえ任期切れまでが5ヵ月足らずとなっていても、ブッシュ大統領が処理しなければならない韓米関係の懸案は山積している。今回の訪韓の重要性は言うまでもない。
ブッシュ大統領が訪韓を控えて、米国地名委員会(BGN)の独島(トクト、日本名竹島)領有権の表記を、韓国領へと元通りに戻す措置を取ったのは、韓米関係のためには幸いなことである。これについて日本は、ブッシュ大統領の訪韓を控えての一時的な措置であるに過ぎないと軽視し、米国に独島を再び「主権未指定」へと戻すよう求める案を検討しているという。このような状況下で、同大統領の韓国訪問が実現するのだから、独島が韓国領であることを認めただけでなく、さらに一歩進んだ発言が出ることを期待している。
ブッシュ大統領は在任中、韓米自由貿易協定(FTA)の米議会での批准同意を可決させるつもりだと、再三約束した。同大統領が韓米FTAに決着をつけずに退任し、保護貿易主義に偏った大統領が政権の座につくことになれば、両国政府が長い間、全力を傾けてきた韓米FTAが死文化され、再交渉に立ち戻る懸念すらある。このほかにも、韓米同盟の発展方向や北朝鮮の核問題などに関連して、両国首脳が胸襟を割って議論しなければならない事案が山ほどある。
ところが、狂牛病(BSE)対策会議は、ブッシュ大統領の訪韓に合わせて明日、90回目のろうそくデモを計画しているという。ブッシュ大統領の場合、外国訪問中、イラク戦争に反対するデモ隊と出くわしたことはあるが、米国産牛肉の輸入反対を行うデモ隊に出会ったことは一度もない。世界90ヵ国あまりが食べる米国産牛肉への輸入反対を叫び、3ヵ月間もデモを行ったうえ、また、ブッシュ大統領の訪韓に合わせて大規模なデモを行うとは、果たして世界からはどのような目で見られるのだろう。
狂牛病対策会議の関係者は、立場を置き換えて考えてほしい。韓国大統領が米国を訪問した際、首都ワシントンで米国人が大規模な反韓デモを行えば、我々の国民感情はどうなるだろうか。これは単なるろうそくデモではなく、国益や国のメンツのかかった問題だ。
敏感な国家的懸案のかかっている韓米首脳会談に水を差すのは、果たして誰のためのことなのか。訪れる外交客は丁寧に迎え、懸案は懸案として徹底的に協議する成熟した姿勢なくしては、先進国にはなれない。
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