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北京の歓迎はともて親切=北京五輪脱力ルポ(1)

北京の歓迎はともて親切=北京五輪脱力ルポ(1)
真新しい北京首都国際空港。五輪ムードが漂う。(撮影:小田光康、7月31日) 写真一覧(4件)
【PJ 2008年08月01日】− 北京五輪まであと一週間。PJニュースも現地取材をすることにしました。とりあえず、北京に来てみました。といっても、取材証もなく、入場券もなく、しかも中国語はまったく分かりません。どうやって取材しようか、と思いあぐねています。競技やその周辺取材はマスメディアの記者がこれでもか、というほどするでしょうから、PJニュースとしてやっても意味がありません。という言い訳を作って、今回は取材証もない、カネもない、コネもない、ごくごく普通の旅行者として北京五輪がどのように映るのだろう、という視点でわたくし、PJ小田が取材します。

 実はPJ小田は五輪取材は今回で3回目です。1回目は日本のマスメディアの共同通信でアトランタ、2回目は米五輪専門誌のアラウンド・ザ・リングス(ATR)で長野、そして3回目はパブリック・メディアのPJニュースで北京、ということになります。共同通信では大会前は五輪組織委員会との折衝と関連取材、大会中はバスケットボールの米ドリームチームやボクシングのキューバの英雄サボンなどを取材しました。思い出深い取材は聖火リレー最終ランナー特定取材と開会式の内容暴露取材、そして化学兵器テロ対策訓練取材でした。今回の北京でもこれらが話題になっています。ATRでは長野の財政や環境問題、そして組織委員会の運営などを主にカバーしました。

 今回は肩にあまり力を入れず、お上りさん気分でオリンピックを取材してみようと思います。なので「おばかな脱力ルポ」みたいなものになってしまうかもしれませんが、あしからず。PJ小田を含めフリーのジャーナリスト4人と北京市内の知人宅を借り受けて、取材拠点としました。貧乏ジャーナリストの集まりなので、できるだけコストを抑えてと言うことになります。知人宅は月額12万円で借りました。一人あたり3万円です。成田・北京の往復チケットは計5万5400円。うち1万7600円が燃料サーチャージ、2040円が成田空港施設使用料、1500円が中国出入国税でした。このチケットは最安値近かったと思います。五輪期間中はチケット代がこの倍以上になるようです。

 このほか、北京取材では入場券と交通費、そして食費を見込んでいます。五輪期間中、一般家庭に滞在する人は、その住民と共に警察に出頭して五輪観戦に来たことを証明しなければならないそうです。なので、日本で天津で開かれるサッカー日本戦のチケットを事前に購入しました。日本の大手旅行代理店経由で1枚1万5000円程度でした。これが正規の値段でいくらくらいか、取材してみようと思います。

 7月31日午後、自宅を出て電車で成田空港に向かいました。パソコンやカメラ、変圧器などの取材道具を詰めた荷物は2泊3日程度の登山用ザック一つです。乗換駅の日暮里駅には「日暮里の星 北島康介君 北京でも金」という横断幕がかかっていました。日暮里から京成電車で成田空港まで通勤用の特急電車で約1時間、電車賃は1000円程度でした。特急料金のかかるスカイライナーを利用せずとも電車はすいていて、快適そのもの。中国関連の本を読んで予習と思っていたのですが、途中で寝てしまいました。

 成田空港に着くと、出発ロビーには長蛇の列。大混雑でした。最近は搭乗券の発券だけなら自動販売機みたいな機械を使えば自分一人で発券できます。預けるほどの手荷物ではなかったので、自動発券機を利用したのですが、やり方がいまいちよく分かりません。すると、JALのお姉さんがやってきて、優しく手ほどきをしてくれました。というか、ほとんど全部やってもらいました。この辺が日本の航空会社の良いところです。

 そうそう、現地で使う携帯電話を用意しなければなりません。PJ小田が使っている携帯は日本国内でしか使えないので、空港にあるソフトバンク・ショップに行きました。共同通信時代の先輩でスポーツ作家の松瀬学さんから「携帯は自分のを使うと日本から電話がかかってきて、着信料取られるから高くつくよ。空港で別の携帯を借りたほうがいい」とアドバイスをもらいました。

 ドコモやauは出発ロビーにショップをかまえているのですが、ソフトバンクは地下一階にあります。携帯電話レンタル用は1日あたり525円。これに通話料がかかります。通話は中国から日本へは1分260円程度、中国国内では1分150円程度です。また、着信料というのがかかり、これは1分150円程度だったと思います。

 無事、搭乗券をゲットし、携帯電話もレンタルし、飛行機に乗り込みました。成田から北京まで約4時間の空の旅です。帰省客でしょうか、機内は中国の人が多くほぼ満席でした。機内でビールとワインを飲み、夕飯を食べるとすっかりいい気分になり、またうとうと。気付くと北京に着いていました。

 今回は五輪というスポーツ取材なので、自分にも何か肉体的なオブリゲーションを課そうと思います。先日、体力測定をしたところ、標準体重よりも4.4キロオーバーしていました。北京でジョギングや自転車こぎなどをし、半月で標準体重の78キロまで減量しようと心に決めました。北京市内を走り回ったり、万里の長城を登ったりすれば大丈夫だ、と高をくくっています。

 北京首都国際空港には現地時間で午後9時ごろ到着しました。北京五輪に併せて新設された第3旅客ターミナルは、なにもかも新しく、しかも巨大で、中国の国力をいやが応でも見せつけられます。12年前のアトランタ五輪の時も、アトランタの空港が新装されましたが、そのまばゆさは北京の半分にも及ばないと思います。到着ターミナルから到着ロビーまでは電車で結ばれています。空港の至る所にオリンピック関連の広告や観戦客を歓迎する幕が張られていました。

 北京に夜到着することもあって、空港近くのホテルをネットで予約しておきました。日本円で1泊7000円くらいでした。空港出口にあるインフォメーションデスクで、このホテルの場所と行き方を聞くと、対応してくれたお姉さんがあれこれ探してくれたのですが、ホテルが英語名で書かれているので分からない、といいます。旅行案内所を紹介され、そこに行けば分かると教えてくれました。

 旅行案内所では即座にホテルに連絡してくれたばかりか、その案内所まで迎えに来てくれるよう手配してくれました。中国ではやはり漢字です。ローマ字や英語の表記では中国の人々によく伝わらない場合があるので注意しましょう。30分ほどでホテルの人が迎えに来てくれました。空港から外に出ると、むっとしました。気温が28度で小雨が降っていました。

 空港近くは大きな道路なのですが、車道をたくさんの自転車が走り回っていました。脇道にそれると大勢の人々が道にあふれていました。車がクラクションを執拗(しつよう)に鳴らしても、みんな悠然と道の真ん中を歩いています。「交通事故がないのかな」と疑問を抱くと同時に、このおおらかさには驚きました。

 ホテルに着き、冷蔵庫のビールを飲もうとすると、ありません。これは一大事とフロントに行って、ビールが飲みたいというとすぐに持ってきてくれました。1本5元(約80円)で、とりあえずこの晩は2本でおしまいにしました。【つづく】

■関連情報
PJニュース.net 
  
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 小田 光康【 東京都 】
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北京の歓迎はともて親切=北京五輪脱力ルポ(1)
真新しい北京首都国際空港。五輪ムードが漂う。(撮影:小田光康
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