応援は公平に？ 選手名入りの横断幕ダメ　高校野球　

　兵庫県立加古川北高校の春夏通じて初の甲子園出場に沸く東播地域で、応援の横断幕などに選手の個人名を入れることを禁止する日本高校野球連盟の取り決めをめぐり、関係者に当惑が広がっている。高砂市では、選手名入りの横断幕を掲げた地域が「違反」との指摘を受け、わずか一日で撤去する事態も起きた。高野連は「公平を期すため」とするが、「純粋な思いに水を差す」と嘆く声も出ている。（宮本万里子）

　高野連は、日本学生野球憲章に基づき、応援の小道具に入れる名称を学校や野球部後援会に限定。個人や企業名など個別のアピールにつながる表示を禁じている。

　高砂市のある地域は、地元選手の名前入りの横断幕を作り、選手の出身中学校に掲げたが、加古川北高側の指摘を受け、掲示翌日に取り外した。関係者は「そんな取り決めは知らなかった。盛り上げようという思いを否定されたようで、釈然としない」とこぼす。

　加古川市では、選手の出身中学の保護者らが個人名入りの垂れ幕を作ろうとしたが、加古川北高への問い合わせで「個人名は控えてほしい」と要請され、断念した。関係者は「残念だが、高校側に迷惑をかけたくないので…」と話す。

　一方、地域の動きを高校側がすべて把握するのは難しいため、「取り決めは徹底されていない」と指摘する関係者も。

　高野連は「皆さんの応援で高校野球が盛り上がるのはありがたい」とした上で、「特定の選手が目立つなど状況が行き過ぎると公平さを失う。ご理解を」としている。

(8/4 14:31)