「日本に行って勉強したい」などと夢を語る子どもたち=マニラ、松井写す
【マニラ=松井健】結婚していない日本人の父とフィリピン人の母から生まれ、日本国籍を持たないままフィリピンに住む子どもたちが、この秋にも集団で日本国籍を申請する。両親の結婚を必要とする国籍法を最高裁が違憲とした6月の判決を受け、フィリピンで活動してきたNGOが申請手続きを支援する。
支援プロジェクトを始めるのは、「JFCネットワーク」のマニラ事務所「マリガヤハウス」。フィリピンの複数の女性団体も協力する。4日、マニラで会見したJFCネットワークによると、最高裁判決後に法務省が進めている国籍法改正案で両親の結婚要件が削除され、「日本在住」といった新たな条件が設けられる可能性も低いと判断した。父の認知がある場合は必要な書類の準備、認知がない場合は父親捜しや認知交渉から支援する。
80年代から、日本に働きに来るフィリピン人女性と日本人男性の間に生まれる子が増えた。「ジャピーノ」と呼ばれ、フィリピンに数万人はいると推定されている。マリガヤハウスによると、これまで10年間の活動で約800件の相談があった。
このうち、父の認知がすでに得られているなど国籍取得が容易と考えられる十数件を10月にも在フィリピン日本大使館に申請。その後も順次申請していくことにしている。