「怪物」滝沢正光引退へA級降級で決断か
元祖・怪物として一世を風靡(ふうび)した滝沢正光(48=千葉)が現役を引退する見通しとなった。25日、本人の申し出により、27日に都内のホテルで記者会見することが、日本競輪選手会とJKAから発表された。同選手は25年間在籍したS級から7月にはA級へ降級が決まっている。詳細は明らかにされていないが、これまでの経緯や現状から引退は、ほぼ間違いない。
現役最多勝男の事実上の引退表明だろう。小嶋敬と山崎芳のモンスター対決が平成の新しい名勝負になっているが、怪物といえば滝沢だった。
高校時代はバレーボール部の適性組で43期としてデビュー。伝説となった血を吐くような猛練習で頭角を現した。強過ぎた中野浩一氏(日刊スポーツ評論家)に対して、山口国男氏が総帥となり軍団を形成したフラワーラインの機関車として活躍、トップレーサーへ上り詰めた。87年には4月四日市から9月宇都宮オールスターまで(5月高松宮杯、7月全日本選抜含む)、13場所連続V。年間勝率は80%と、圧倒的な怪物パワーで成し遂げた連続優勝記録は不滅だ。12月のグランプリは強烈なまくりで初制覇。まさに滝沢全盛期だった。90年には九州の牙城である小倉で史上2人目のグランドスラムを達成した。G1タイトル12個獲得、GPでも2度優勝している。
07年の地元千葉記念では連勝で予選を突破してスタンドをわかせた。長くファンに愛され続けた滝沢だが、48歳の年齢とA級降級は偉大な名選手の引き際かもしれない。07年の11月には競輪学校で現役初の名誉教官として教壇に立った。3月の川崎では、落車失格となり来々期のS級復帰は難しくなった。「肋骨(ろっこつ)を痛めましたが、心も痛い」と寂しい帰り支度をしていたのが印象的だった。初弟子の伊勢崎彰大は「最近、滝沢さんはバイク誘導で先行に戻すと張り切ってましたが。取手(出走中)に来る前に一緒に風呂に入った時、そういう雰囲気はあった」と、師匠の引退を感じ取っていた。A級初戦(7月1日初日)の地元千葉は出場を予定しているが、その後のあっせんは断っている。
[2008年6月26日9時28分 紙面から]
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