大淀町立大淀病院で06年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、19病院に受け入れを断られ、転送先で死亡した高崎実香さん(当時32歳)の三回忌法要が3日、五條市内で営まれた。親族ら約25人が祈りをささげた。法要後、義父憲治さん(54)は「墓前で奏太のことを一生懸命育てますと言った。それは何年たっても変わらないと思う」と話した。
遺族によると、法要の会場は実香さんが好きだったユリなど、白や青の花がたくさん飾られた。長男奏太ちゃん(1)も、読経の時は手を合わせ、お墓まで歩いてバケツを運び、水をかけたという。夫晋輔さん(26)はあいさつし、実香さんが最後に残した言葉が「お母さん」だったと、家族に初めて打ち明けたという。
実香さんは06年8月8日に意識不明となり、搬送先の大阪府吹田市内の病院で、奏太ちゃんを帝王切開で出産。同16日に脳内出血のため亡くなった。【高瀬浩平】
毎日新聞 2008年8月4日 地方版