助産師外来「医師との役割分担が重要」
日本助産師会埼玉県支部は8月2日、さいたま市のソニックシティで「助産師外来・院内助産院を進めよう。〜先駆事例から学ぶ〜」をテーマに講習会を開催した。講習会では、深谷赤十字病院副院長・産科部長の山下恵一氏と産科病棟師長で助産師の新井登美子氏が、同院の助産師外来の事例を紹介しながら、助産師の役割や在り方について講演した。講習会には約110人の助産師が参加した。
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来年2月に異例の「医師会立産院」−神奈川県鎌倉市 山下氏は講演で、「お産は異常分娩ばかりではない。お産の多くは、当然ながら正常分娩。この部分を助産師が担うことができる」と指摘。医師と助産師による役割分担で産科医療はうまく機能すると強調した。
深谷赤十字病院は埼玉県北部地域唯一の産科救急応需病院。いち早く1991年から助産師外来を導入、運営してきた。正常分娩は主に助産師が診て、異常分娩の場合には産科医がサポート。従来の「医師主導型」の産科医療ではなく、医師と助産師が「車の両輪」となってお産を支える体制を取っているという。
2004年には、常勤産科医3人と非常勤産科医4人、助産師21人の体制で約500件の経膣分娩と約320件の手術(帝王切開を含む)に対応した。山下氏は「産科医不足に悩む深谷赤十字病院にとって、助産師の専門性の発揮によるサポートは、まさに『救世主』。(このような多くの件数に対応できたのは)助産師外来がうまく機能したことが大きい」と述べた。 一方、新井氏は、「(当院では)助産師に任されている部分が大きく、責任も重い。医師や妊産婦さんの信頼・期待に応えようと、多くの助産師が自ら進んで研修に参加するなど、スキルアップを図っている」と述べ、助産師が中心となって妊産婦を診る同院のシステムが、助産師の自己研さんを促しているとの認識を示した。
同院では、妊娠反応の確認や出産予定日の決定などの初診は医師が担当するが、その後の妊娠初期保健指導、妊婦健診は基本的に助産師が行っている。経過に異常が予測される場合、リスクが発生した場合は医師に報告・相談し、協働するが、経過が正常であれば、あくまで助産師が主体となる。
更新:2008/08/04 12:30 キャリアブレイン
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