不妊に悩む夫婦が第三者から精子や卵子の提供を受ける非配偶者間の体外受精に、広島市のクリニックを含む全国7医療施設が本格的に踏み出す。既に今年、夫婦2組に実施し妊娠中。7月に「知人からの提供も認める」などとする独自指針も作った。非配偶者間の体外受精は日本産科婦人科学会が認めておらず、論議を呼びそうだ。
7施設は、全国21の不妊治療施設でつくる「日本生殖補助医療標準化機関(JISART)」に加盟し、中国地方では広島HARTクリニック(広島市中区)が含まれる。JISARTが設けた指針では、精子・卵子の提供について金銭授受を禁止した上で、匿名の提供者が見つけられない場合は親族や友人からの提供も認める―などとしている。
非配偶者間の体外受精について、国の審議会は2003年、匿名の第三者からの提供に限り容認しつつ、法律など制度が整うまで実施すべきでないとする報告書を出した。日本産科婦人科学会は、審議会の報告書の趣旨を会員に周知徹底し、事実上禁止している。
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