内閣改造・自民党役員人事を受け、毎日新聞は1、2日、電話による全国世論調査を実施した。2日に正式に発足した福田改造内閣の支持率は7月の前回調査比3ポイント増の25%だった。今回の人事に対する評価では「評価しない」が56%。「内閣改造によって首相の目指す政治がはっきりしたと思うか」という質問への回答も「思わない」が72%に達した。今回の人事が必ずしも政権浮揚に直結していないことが浮かび上がる結果となった。
内閣不支持は前回比2ポイント減の52%、「関心がない」は前回と同じ21%だった。
昨年9月の政権発足時に57%あった内閣支持率は下がり続け、今年5月には18%まで落ち込んだ。その後、今回も含め3カ月連続で微増したものの、低迷状況は抜け出せなかった。参院選の大敗を受けて安倍晋三首相(当時)が昨年8月に実施した内閣改造後には支持率は11ポイント上昇しており、それと比較しても今回の人事がそれほど効果的でなかったことが分かる。
今回の人事を「評価する」という回答は31%で、理由は(1)「ふさわしい人材を起用した」45%(2)「人心一新になった」20%--の順。「評価しない」の理由は分散したが、「首相が指導力を発揮しなかった」の27%が最多だった。
今回の人事の目玉と位置づけられる自民党の麻生太郎幹事長に対しては57%が「期待する」と回答。「期待しない」の36%を上回ったが、内閣支持率を大きく押し上げる「起爆剤」とはならなかった。
「首相の目指す政治が内閣改造ではっきりしたと思うか」への回答で「思う」は18%にとどまった。政党支持別に見ると、自民支持層でも「思わない」が60%で、「思う」30%の倍に達した。公明支持層も56%が「思わない」と答えており、与党支持層が今回の人事に明確な「福田カラー」を実感していないことがうかがえた。内閣支持層で見ても「思う」45%と「思わない」43%が拮抗(きっこう)した。
政党支持率は自民党が前回比2ポイント増、民主党が1ポイント減の24%で並んだ。しかし、「次の衆院選で自民党と民主党のどちらに勝ってほしいか」との質問に対する回答は、民主党が46%で自民党の31%に大きく水をあけた。後期高齢者医療制度への批判が高まった5月調査の27ポイント、前回調査の21ポイントより差が縮まった。【坂口裕彦】
毎日新聞 2008年8月3日 東京朝刊