大江戸版 好色男のファルスタッフ
テーマ:オペラ・オペレッタ「アイーダ」や「リゴレット」で有名なイタリアオペラを代表する作曲家、
ジュゼッペ・ヴェルディによる最後のオペラ作品、歌劇「ファルスタッフ」を観て来ました!
今回は、大江戸版 好色男のファルスタッフ という、
ちょっと変わった公演!
シェイクスピアの原作&イタリアオペラというこの作品を、江戸時代にタイムスリップさせた演出です(ー_ー)!!このような奇抜な演出は賛否両論あるのですが、今回の舞台は本当に素晴らしかったです!舞台セットも歌舞伎のようで、黒子は出で来るし衣装は全員着物や和服で時代劇。さらに、歌詞がイタリア語なので舞台上に日本語字幕が出るのですが、これが何気なく直訳ではなく面白オシャレな言葉に変更されていいる!だって物語に沿って、ファルスタッフが突き落とされる「川」は、「隅田川に突き落とせ~!」に変わっているし、他にありえないオモシロ言葉が出てくるんです。沢山ありすぎてココには書ききれませんが、あまりに演出や舞台上に仕掛けがあり、そのような奇抜な演出でも本来の作品の良さを消さずに、新しい作品として成り立っているようでした。
オペラというと悲劇が多いのですが、ヴェルディ最後のこのファルスタッフという作品は、なんと「喜劇」!ミュージカルの元祖でセリフも踊りもあり「喜歌劇」と呼ばれる「オペレッタ」では笑いはよくある事ですが、あんなに「王道のイタリアオペラ」で客席が何度も声を出して笑っているのを見たのは初めての経験でした。
そして事件もありました(゜o゜)
4幕の開演直前に場内アナウンス。
「主役のファルスタッフ(バリトン)の喉の調子が悪いので、声のみ代役を立て、演技は引き続き同じ歌手が演じます。」とのことでした。そして出てきた歌手が、ドミンゴなどと主役級で歌ってきて世界的に活躍してきた某外国人ベテランバリトン歌手!
よって4幕は、代役のバリトン歌手が舞台の一番端で直立不動で楽譜を見て歌い、舞台上では声を出さないファルスタッフが声を出しているものとして演技をしました。
舞台ではこのような事件もたまにありますが(代役自体はよくあるけど、【声だけ】の代役は初めて見ました。)、ファルスタッフを演じた2名の方々も、それを舞台上でカバーしていたキャストやオーケストラ・指揮者・スタッフなどを見て、オペラは皆で作るものなんだなあと実感しました。カーテンコールでは2人のファルスタッフが並び、満席の客席は勢い良くスタンディングオベイションをしていました!
今回のキャストは国際色豊かなキャスティングで、
合唱も素晴らしく、とてもレベルの高い充実した公演でした(^_-)-☆