大東亜戦争「敗因」の検証
米国海軍長官ノックスが言った。
「日本軍とは近代戦を全く理解してないか、近代戦を戦う資格のない軍隊である」
太平洋艦隊司令長官ニミッツが言った。
「日本は戦闘の先っぽではアメリカに勝ったが、戦略では無為にして負けた」
そしてニミッツはこうも言っている。
「古今の戦史において、主要な武器が、その真の潜在能力を少しも把握されずに使用されたという稀
有の例を求めるとすれば、それはまさに第二次大戦における日本潜水艦の場合である」
南太平洋方面海軍司令官ハルゼーは言った。
「心配するな。日本人は、勝ったと思ったら引揚げて行く。追撃してきはせぬ」
もちろん、これらは全て帝国海軍に対する批評である。
以上は本書の序文よりの引用でござる。
本書には海軍善玉論の嘘がわかりやすく纏められている。
戦史を研究すると「情報戦の軽視」「兵站の軽視」「戦略不徹底」など、海軍の様々な軍事的合理性の無さに突き当たる。
帝国海軍の敗北は単純に「物量の差」で言いわけできるようなものではない。
海軍上層部はどうしようもなく愚かであったのだろうか。それとも、確信犯であったのだろうか。
軍事的合理性は、むしろ悪玉とされている陸軍の方にあった。
情報戦に関していえば、陸軍はその重要性を十分認識し、優秀な人材を配置し、米軍は陸軍の暗号をほとんど解読できなかった。それに対して海軍は成績下位の人材を配置し、米軍は海軍の暗号の七割を解読していた。さらには海軍は解読されていることが確実視されている暗号を使い続けた。
兵站に関しては、その重要性に関して陸軍のほうから圧力をかけねばならなかった。
陸軍が総力戦に対して明確な戦略を持っていたのに対し、海軍にはそのような戦略は無く、太平洋における戦略的優位を自らすり潰してしまった。
「海軍善玉論」も「陸軍悪玉論」も戦後のメディア操作により作られた虚像に過ぎない。
このようなことを読むと、気を悪くされるような方もいらっしゃるだろう。
そのような方には、その心の裏にある海軍への好意自体が、戦後のメディア操作によって培われたものでないか自分自身に問いかけてほしい。
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