能あるタカ橋は何とやら……。

　連載当時はギャグにごまかされて気づかなかったのですが、改めて読み返してみると『うる星やつら』には、後に思い知らされる留美子先生の幅広い才能がそこここに見え隠れしていて、とても興味深かったです。
　わが主人公上杉達也は、ラムちゃんの色紙一枚でボクシング部から野球部へ売り飛ばされてしまいましたが、そんなデタラメ作家のバカエピソードが20年経って通用するのも、ラムちゃんというヒロインが、漫画史上で輝き続けているおかげなのです。

感謝。

人生変えてくださって、ありがとうございます。

　この作品で人生変わってしまいました、すいません。
高橋留美子がいなくても運命に導かれて漫画家になっていたと思いたいのですが、たぶんダメ。高橋留美子がいなくても嫁と知り合って結婚していたと思いたいのですが、たぶん無理。
　リアルタイムの読者だったワタシにとって、『うる星やつら』は「漫画さえあれば他に何もなくても生きていけるかも」と思わせるほどの魔力を持った、最初の一本でした（ちなみに二本目は『めぞん一刻』）。完全なファンタジー、非常識なギャグ世界でありながらキャラクターに実存を感じるという、人類史上例のない事態。ラムちゃんもあたる君も、当時のファンにとってはほとんど実存の人物だったのです。その驚きと興奮の共有が、あのブームの中心だったのではないでしょうか。
　高橋先生、ラムちゃん、あたる君……。人生変えてくださってありがとうございます。もう戻れないけど別に後悔してません。

好き好きソング

ラムはあたるを見捨てないから好きだ。
ラムの太ももはふくらはぎの1.5倍くらいあってとても色っぽいから好きだ。
ラムは誰かれかまわず最高の笑顔をふりまかないから好きだ。
ラムはヒロインらしからぬ、ものスゴイ怒りかたをするから好きだ。
ラムの電撃はかっこいいし愉快だから好きだ。
酔っ払い方も、あぐらを組んでプカプカ浮かんでる姿も、
ランちゃん達とのつきあい方も好きだ。
好きだ　好きだ。
ラムは　僕らダメーな男どもを見捨てない。

そして僕は、はじめてお会いした時、
「漫画描く以上におもしろいコトなんて、
あるのかしらねえ。」とおっしゃった
高橋留美子先生が、
大好きだ。

正直、困っています（笑）。

いや、私事で恐縮なのですが、私の描く「名探偵コナン」めが たらたらと連載10年を越え、コナンの宿敵である黒ずくめの組織のメンバーも かなりの人数を出しました。
ジン、ウォッカ、テキーラ、シェリー、ベルモットetc…
そう、こいつらの名前はお酒なのです。
そして唯一残っている 有名で、名前にしてクールなのは
「ラム」のみ…
しかしこの名は日本中の…いや、今や世界中のマンガファンの心に刻み込まれ、
皆、悟っております…この名を名乗っていいキャラは誰であるべきかと…
なにより私自身が…

使えねぇーーーー！　ぜってぇ使えねぇ!!
そのくらいこの鬼娘は、衝撃的に誌面に登場し、
そのキュートな顔と、セクシーボディーと 破壊的な電撃と
けなげな心でファンの心を魅了し、
今もなおそのド真ん中に君臨し続けているのであります！
恐らくこれからも…手塚先生のアトムのように…

……ま、いずれ使っちゃいますけどね…
……その時は笑ってやってください…
……トホホ…（笑）。

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