公正取引委員会

ホーム > 報道発表資料 > (平成17年3月8日)インテル株式会社に対する勧告について

インテル株式会社に対する勧告について

平成17年3月8日
公正取引委員会

公正取引委員会は,インテル株式会社(以下「日本インテル」という。)に対し,独占禁止法の規定に基づいて審査を行ってきたところ,本日,日本インテルに対し,同法第3条(私的独占の禁止)の規定に違反するものとして,同法第48条第1項の規定に基づき,次のとおり勧告を行った(別添勧告書参照)。

1関係人

名 称

インテル株式会社(注1)

本店所在地

茨城県つくば市東光台五丁目6号

代表者

代表取締役 吉田 和正

事業の概要

インテルコーポレーションから,その製造販売するパーソナルコンピュータに搭載するx86系セントラル・プロセッシング・ユニット(以下「CPU」という。)を輸入し販売する事業等

(注1)アメリカ合衆国カリフォルニア州サンタクララに所在するインテルコーポレーションが全額出資しているインテルインターナショナルが全株式を所有。

2違反行為の概要

日本インテルは,平成14年5月ころ以降,各国内パソコンメーカーのMSS(注2)を最大化することを目標として,国内パソコンメーカーのうちの5社に対し,それぞれ,その製造販売するパソコンに搭載するCPUについて

(1)MSSを100%とし,インテルコーポレーションが製造販売するCPU(以下「インテル製CPU」という。)以外のCPU(以下「競争事業者製CPU」という。)を採用しないこと

(2)MSSを90%とし,競争事業者製CPUの割合を10%に抑えること

(3)生産数量の比較的多い複数の商品群(注3)に属するすべてのパソコンに搭載するCPUについて競争事業者製CPUを採用しないこと

のいずれかを条件として,インテル製CPUに係る割戻し又は資金提供を行うことを約束することにより,その製造販売するすべて若しくは大部分のパソコン又は特定の商品群に属するすべてのパソコンに搭載するCPUについて,競争事業者製CPUを採用しないようにさせる行為を行っている。

このような行為によって日本インテルは,前記5社に対するCPUの販売に係る競争事業者の事業活動を排除することにより,国内パソコンメーカー向けのCPUの販売分野における競争を実質的に制限している。

(注2)各国内パソコンメーカーが製造販売するパソコンに搭載するCPUの数量のうちインテル製CPUの数量が占める割合をいう。

(注3)パソコンは,一般に,形態によってノートブック形又はデスクトップ形に分けられ,国内パソコンメーカーの中には,それぞれの形態について,機能,用途等に応じて幾つかの「シリーズ」等と称する商品群を設けているものがいる。

3排除措置の概要

(1)日本インテルは,インテル製CPUを国内パソコンメーカーに販売するに際して,国内パソコンメーカーに対し,その製造販売するパソコンに搭載するCPUについて,前記2(1),(2)のいずれかを条件として,インテル製CPUに係る割戻し又は資金提供を行うことを約束することにより,その製造販売するすべて又は大部分のパソコンに搭載するCPUについて,競争事業者製CPUを採用しないようにさせる行為を取りやめること。

(2)日本インテルは

前記3(1)に基づいて採った措置

国内パソコンメーカーに対し,インテル製CPUに係る割戻し又は資金提供を行うに当たって,その製造販売するパソコンに搭載するCPUについて,競争事業者製CPUを採用しないことが条件となるものではない旨

国内パソコンメーカーに対し,その製造販売する生産数量の比較的多い複数の商品群に属するパソコンに搭載するCPUとして採用していた競争事業者製CPUをインテル製CPUに切り替えて当該複数の商品群に属するすべてのパソコンにインテル製CPUを搭載し,これを維持することを条件として,インテル製CPUに係る割戻しを行うことを約束することにより,当該複数の商品群に属するすべてのパソコンに搭載するCPUについて,競争事業者製CPUを採用しないようにさせる行為を取りやめている旨

を自社の取引先である国内パソコンメーカーのすべてに通知するとともに,自社の従業員に周知徹底すること。

(3)日本インテルは,今後

国内パソコンメーカーに対し,その製造販売するパソコンに搭載するCPUについて,MSSを100%又は90%以上とし,これを維持することを条件として,インテル製CPUに係る割戻し又は資金提供を行うことを約束することにより,競争事業者製CPUの割合を0%又は10%以下に抑えるようにさせる行為

国内パソコンメーカーに対し,正当な理由なく,その製造販売する生産数量の比較的多い複数の商品群に属するパソコンに搭載するCPUとして採用している競争事業者製CPUをインテル製CPUに切り替えて当該複数の商品群に属するすべてのパソコンにインテル製CPUを搭載し,これを維持することを条件として,インテル製CPUに係る割戻しを行うことを約束することにより,当該複数の商品群に属するすべてのパソコンに搭載するCPUについて,競争事業者製CPUを採用しないようにさせる行為

により,国内パソコンメーカーに対するCPUの販売に係る競争事業者の事業活動を排除しないこと。

(4)日本インテルは,今後,前記3(3)の行為を行うことがないよう,自社のCPUの販売に係る営業担当の役員及び従業員に対する独占禁止法に関する研修及び法務担当者による定期的な監査を行うために必要な措置を講じること。

4勧告諾否の期限

平成17年3月18日

(勧告を応諾したときは,勧告と同趣旨の審決を行い,応諾しないときは,審判手続を開始することとなる。)

問い合わせ先 公正取引委員会事務総局審査局第三審査
電話03−3581−3345(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp

【附属資料】

参考19KB
勧告書58KB

Get Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧頂くには、
AdobeReaderが必要です。

Copyright © 2007 Japan Fair Trade Commission. All Right Reserved.