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2008年8月 1日 (金)

三井物産の本業とは?

日本のCSR業界(?)では、「本業としてのCSR」が大流行です。
しかし、この本業とは何か?ということは、なかなかやっかいで難しい問題だということは、以前にもトヨタを例にして考えてみました。

リンク: Global Good News Blog: トヨタのCSR.

今回は、三井物産の本業についてのお話です。

少し前、とあるセミナーで三井物産の初代CSR部長の山本隆彦氏のお話を伺う機会がありました。

三井物産というのは、総合商社の特性を活かして、資源に関すること、つまり環境に関する社会貢献事業を多岐にわたって展開しています。

太陽光発電のアメリカ企業を買収したり、松下電工と共同で廃プラスティック・リサイクル事業を行ったり、オーストラリアのスクラップ事業会社に出資したり。
日本国内に所有する森林面積も第二位。あの住友林業を越える広大な森林を有し、日本の緑を守ったりしています。

環境以外でも、在日ブラジル人の子ども教育支援など、総合商社でなければできないし、総合商社だからやらねばならい社会貢献事業を行なっています。まさに本業としてのCSRです。

さらに山本氏は、

商社の仕事というのは、モノの流通であり、情報の流通であり、お金の流通、つまり価値の流通なんだ

ということを述べ、

企業が活動していると行政が無視できなくなる。それで(社会貢献活動の)仲間が増えてくる。

という話をされてました。

社会貢献における、商社の役割、大企業の役割がよく分かるお話であります。

しかし、僕にはよく理解できないことが会ったので、質問してみました。

三井物産の本業って何ですか?

山本氏は、少し間を置いて、

「実は、今日、この会場に私の部下が何人か来ているので、今の質問に上手く答えられないとカッコ悪いんですが」

というような前ふりをした後で、こんなふうに答えてくれました。

三井物産の本業は、国益を守ることです。
今なら、地球益とでもいうべきですか。
明治時代に創業して以来、この志は変わりません。

こんなカッコいい回答が返ってくるとは、正直、僕もビックリでした。
まさに、本業とはこういうことであります。重みが違います。 本業とはまさに志であります。

と同時に、さきほどの前ふりは、三井物産の若い人たちに対する、

「ここ、大事なところだから、お前らしっかりと聞いておけよ」

というメッセージだったワケですね。

衆目の中でさりげなく、このようなメッセージを発信して、若い人たちをリードしていく。
会社の上司とはかくあるべし、ですね。

というか、物産マン、恐るべしです。
ひさびさに、企業人ってカッコイイ、そう思った次第です。(竹井)

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