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<ゆうちょ銀>ずさんな対応…盗難カードでローン契約書

8月2日15時1分配信 毎日新聞


 氏名、誕生日、電話番号、印鑑とすべてが虚偽のローンの契約書が審査をパスし、38万円余のローン契約が締結されていたことが分かった。契約書は盗難キャッシュカードを基に作られたとみられ、郵便局のずさんな対応のため、被害男性の口座から計3回総額約8万3000円が引き落とされた。男性は「これほど審査がずさんでは、他にも被害があるのではないか」と話している。【小林直、苅田伸宏】

 男性は千葉県船橋市のデザイン制作会社経営、矢田弘通(ひろみち)さん(41)。矢田さんは2月22日、自宅が空き巣被害に遭い、現金2000円や郵便局のキャッシュカードなどが入った財布を盗まれ、同日、千葉県警と郵便局側に被害を申告した。

 引き落としに気付いたのは5月21日。妻が船橋東郵便局(船橋市)で記帳すると、3月27日に2万8574円、4月28日に2万7500円が引き落とされていた。窓口で「調べてほしい」と申し出たが、5月27日にも2万7500円が引き落とされ、郵便局側は毎日新聞が取材を申し込んだ翌日の6月27日になって初めて、口座引き落としができなくなる措置を取った。

 「自動払込利用申込書」などによると、犯人はカード盗難3日後の2月25日、千葉県柏市の楽器店で38万4720円のアコースティックギターを購入。同申込書の氏名は1字違いの「矢田弘道」、生年月日は実際より10歳以上若い「昭和52年9月7日」。自宅と携帯電話番号や印鑑も虚偽で、正しいのは氏名のふりがな「ヤダヒロミチ」と口座番号だけだった。

 盗まれたキャッシュカードは、矢田さんの申告により使えなくなっていたが、口座はそのまま残るため、カードに記されていたカタカナ名と口座番号が使われたとみられる。

 信販会社によると、楽器店からファクスで受領した申込書をチェックしたところ、電話番号の一致する「矢田」姓の人物(名前は異なる)について、過去の利用実績が確認された。さらに「ヤダヒロミチ」と書かれたキャッシュカードを持っていたことなどから、過去の利用者の家族と判断し契約を認めた。

 その後、信販会社が「ゆうちょ銀行東京貯金事務センター」(さいたま市)に申込書を郵送。同銀行によると、センターの契約社員は3月中旬ごろ、パソコンに保存されているデータと申込書を見比べ、実際には異なるのに「届け出印の印影、氏名と一致した」と誤って判断し、引き落としが始まった。

 ゆうちょ銀行広報部は「センターでの確認作業も矢田さんから指摘を受けた後の対応も不十分。深くおわびする」としている。

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最終更新:8月2日18時1分

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