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Kakinokiの日記

2008-08-02

自分たちを守るのは自分たち

 私は完全禁煙に成功して約1年の元スモーカーですが、数年前、同じく喫煙者の友人(Aさん)とタバコの吸い方について議論というか喧嘩になり、それがきっかけで疎遠になってしまいました。


 Aさんは「禁煙」と書かれた場所では吸わない程度には喫煙マナーを守る人ですが、書かれてない場所では何をしてもいいと思ってるフシがあり、道を歩きながらの喫煙や吸殻のポイ捨ては当たり前、小さな子どもがいる密室でプカプカ、車の窓から火がついたままの吸殻をポイッ、なんてのも平気です。


 現行犯(?)でそうした場面に遭遇したときは必ず注意するのですが、Aさんは「まあまあ細かいことを言わず・・アハハ」と笑うだけ。反省することはなく、自分を正当化する『反論』もしてきません。ただ「まあまあ」とのらりくらり。 


 そんなある日、夏祭りの会場で、周囲が満員電車状態のところでAさんがタバコに火をつけたのを見て、ぶちギレてしまいました。「火なんかつけて、将棋倒しでも起きたらどうするの? 周りにぜんそくやアレルギー体質の人がいたらどうするの? 携帯灰皿も空き缶もゴミ袋も持ってないくせに、吸ったあとどうするつもり? 浴衣に草履姿の女の子がいっぱい歩いてるのに下に捨てるの? 小さな子どももいっぱいいるのに何考えてるの?」・・・と。


 さすがに満員電車状態の中で言う勇気はなかったので(ヘタレ) 帰りに寄ったファミレスで、二人同時にタバコに火をつけ、ふぅ〜っと一服吸ったあとで言いました。するとAさん、珍しく逆ギレしてきました。


 「そっちだって吸うくせに!」


 一瞬、何を言われてるのかわかりませんでした。

 そっちってどっち?


 「タバコ嫌いの人から言われるならわかるけど、タバコを吸う人から『吸うな』と言われるのだけは気に食わない! なんでいつも文句ばっかり言うの!?」


 何を言われてるのかはわかりましたが、こんどはAさんという人がわからなくなりました。


 「『吸うな』とはひとことも言ってない。状況を見て吸えと言ってる。周囲の人に迷惑をかけるな、吸う以上は吸殻の処理まで責任を持て、大人としてマナーを守れと言ってる。これは私が喫煙者かどうかに関係なく言う権利がある」


 というようなことを、もっと柔らかい表現で言ったのですが、Aさんはすっかりフキゲン。自分のマナーの悪さは認めるけど 「でもあんただって吸うくせに」から離れられない。険悪なムードに耐えきれず、一応言うべきことは言ったからいいか、と事なかれ主義的に自分を納得させて話題を変えようとしたその時、Aさんがぼそ〜っと言った。


 「だいたいさあ、禁煙禁煙て世の中全体が喫煙者に厳しくなってきてるときに、同じく肩身の狭い思いをしてるはずのあんたが、なんでそんなことを言うのかわからない。あいつらの圧力に屈してもいいわけ?」 


 タバコを一本とりだし、口にくわえ、ゆっくり火をつけて心を落ち着けよう落ち着けよう・・・と努力した。 のに、うっかり失敗して心にも火をつけてしまいました。


 「アホか!!」に始まり、「お前みたいなアホがおるから世の中のタバコ吸いが迷惑するんじゃボケ!」で終わるまでの約3分間のお下品なセリフは、私の名誉のため割愛しますが


 喫煙者=味方

 非喫煙者=敵

 法で喫煙者の自由を縛ろうとする行政?=巨大な敵


 という捉え方をしていたAさんは、マナーの悪い喫煙者が多くいること、そうした喫煙者喫煙者同士で戒め合わないこと、などから、非喫煙者が『喫煙者全体』を偏見の目で見るようになり、「法で規制して欲しい」という声まであがるようになったのだ、ということがどうしても理解できず(理解はするけど気持ちで納得できないという感じ)、「でもあいつら(非喫煙者)の言いなりになるのは気に食わない」「あんたまで敵に見えてくる」とぶつくさ。


 そして私の罵倒に傷ついたAさんは、翌朝からせっせと共通の友人数人に電話をかけ、私の悪口を言いまくったらしい。そうしたAさんの言動は全て私の耳に届くこととなり、ただの「アホな友だち」から「関わるのもイヤな人」にバージョンアップした。



  

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