【第2回】 2008年04月25日
なぜ「女の子」のほうが、言葉を早く話せるのか?
──言葉の「女脳」と抽象力の「男脳」
女性に「ひとりごと」
が多い理由
脳梁は左右の脳の橋渡しをし、相互に情報交換をしています。
この脳梁の後部には膨れた部分があり、膨大部と呼ばれています。この膨大部の形をみると、男の脳は棒状をしているのに対し、女の脳は球状にふくらんでいます。つまり、その断面積において女の脳が男の脳を圧倒しているのです。
これは何を意味しているのでしょう?
脳梁の膨大部には、後頭葉、側頭葉、さらには前頭葉からの神経繊維が伸びています。後頭葉は空間の認識や言語機能に大きな役割を果たしているし、側頭葉は記憶や聴覚と関係が深い部分です。
当然のことながら、膨大部の断面積が広ければ、左右の後頭葉、側頭葉のパイプも太くなるというわけですね。
さらに、脳梁の膨大部の断面積について、女性のほうが大きいというのは、女性の脳が男性の脳よりも左右の連携がいいことを意味します。
吃音が女性に少なく男性に多いのも、女性の脳が言語機能にすぐれているからなのです。「ひとりごと」が女性に多く、相対的に男性に少ないのも同じ理由なのかもしれません。
男性の脳と女性の脳とはあきらかに異なり、それが男女の生きざまにも微妙に影響しているのです。
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山元大輔 [監修]
(東北大学大学院生命科学研究科教授/理学部生物学科教授)
1954年東京都生まれ。東京農工大学農学部卒業後、同大学院農学研究科修士課程終了。理学博士(北海道大学)。ノースウエスタン大学医学部博士研究員、三菱化学生命科学研究所室長を経て、1999年から早稲田大学人間科学部教授。同大学理工学部教授を経て、現在、東北大学大学院生命科学研究科教授。同大学理学部生物学科教授。
人間は脳あってこその存在。行動、感情、性格の数々はすべて脳が決めています。「脳」を知ることは、あなたの中の「なぜ?」を知ること。当連載では、脳のトリビアともいえる、意外な脳の姿を紹介していきます。