佐世保港に寄港中の原子力潜水艦ヒューストン=3月31日、長崎県佐世保市(基地監視団体リムピース提供)
【ワシントン=梅原季哉】米海軍は1日、長崎県・佐世保に3〜4月に寄港した米海軍のロサンゼルス級原子力潜水艦ヒューストンが、寄港時や日本周辺海域を航行中も含め、数カ月にわたってごく微量の放射能漏れを起こしていた可能性があることが分かったと明らかにした。
米CNNが報じ、米海軍広報が朝日新聞の取材に対して事実関係を確認した。放射能レベルは極めて低く危害を及ぼす恐れはまったくないが、透明性を維持する趣旨から7月31日(米東部時間)、日本政府にも事実を通知したという。同原潜が5月に寄港したグアムやハワイの地元自治体に対しても事実を開示した。
放射能漏れは7月17日、ヒューストンがハワイで乾ドックに入って定期点検中、約1ガロン(3.8リットル)の水が漏れ、乗組員の足にかかったことがきっかけで判明した。調査の結果、原子炉エンジン室付近からの水が被覆バルブを伝って漏れ続けていたことがわかった。炉本体に接触した水ではないという。
海軍は、乗組員の体からは放射能はまったく検知されず、「この期間の放射能漏れは多く見積もっても0.5マイクロキュリー。(日常生活の例で言えば)50ポンド(約22キロ)入りの園芸肥料の袋のそばにいて浴びるのと変わらない程度だった」と説明している。