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「20年、30年先を見て、日本ファンを増やす外交手段」ととらえ、06年から大会の後援になり、担当課長を審査員として毎年派遣している力の入れようだ。
外務省幹部によると、かかわり始めたのは、省内で「オタク」として知られていた大使経験者の幹部がいたことが大きかった。「マンガオタク」として知られていた麻生太郎氏が外相になったことをチャンスととらえ、06年に東京・秋葉原のアニメ専門大学で演説をするよう仕掛けた。「海外の子どもたちはアニメの主題歌で日本語を学ぶ」「外交にとって大変な力だ」などとしゃべった外相の演説は学生らに大受け。省内ではその後、通勤時に漫画誌を買う幹部の姿まで見られるようになったという。
今年3月にはアニメ文化大使に「ドラえもん」を任命し、各国大使館で、着ぐるみのドラえもんと大使が同席する記者会見を開き、映画の上映会を開く。今年度は各国で計100回上映予定だ。
2日午後4時から、名古屋市の大須商店街で代表らによるパレードがあり、3日午後6時から同市栄のオアシス21でチャンピオン大会がある。各国代表は2人組で、コスプレ衣装はすべて手作り。日本生まれのアニメ・ゲーム・マンガの登場人物であることも条件だ。衣装や作品への忠実性などで勝負が決まる。
外相の諮問機関の海外交流審議会ポップカルチャー専門部会長を務めた浜野保樹・東大大学院教授(メディア論)は「情報社会のいま、外交官や政治家だけでなく、市民同士が交流する外交が欠かせない時代。他国でもマンガ・アニメ産業が育っており、『本家本元』の日本文化として国際社会に訴える必要もある」と話している。(前川浩之)