スペイン
アメリカ
メキシコ
イタリア
ドイツ
中国
名古屋は世界のコスプレマニアにとってのあこがれの地だ。「世界コスプレサミット」が始まって6年。13カ国で開かれた今年の大会の予選には30万人以上の観客が訪れた。外務省も「日本ファンを増やす外交手段」ととらえ、大会を後押しする。今年のチャンピオンは3日に決まる。
コスプレ歴4年のスペイン代表マリア・ペレスさん(24)は「日本のコスプレに出会って人生が変わった」。
16歳の時、友人からもらって読んだ日本のマンガ「少女革命ウテナ」で、気高く生きる主人公の少女にあこがれた。「人生や社会は窮屈なもの。でも、強い女性になって生きなきゃだめって教えてもらった」
専門学校で服飾デザインを学び、手作りのコスプレ衣装は40着以上。コスプレの写真を撮るために学んだ技術を生かし、いまの仕事は写真家だ。「日本は『格好いい異文化の国』。来日できて夢のよう」
もう1人のスペイン代表のニコラス・カブレリソさん(24)は、アニメ「となりのトトロ」が描く昭和30年代の日本に強くひかれるという。「家族や自然との共生の考え方に感動する。スペイン人だけど、懐かしさや日本らしさもわかる気がする」
コスプレサミットは、テレビ愛知のローカル番組の企画で03年に始まった。05年、愛知万博で開催したことをきっかけに有名になった。海外メディアで取り上げられ、「名古屋に行くとコスプレの世界一と認められるらしい」とインターネットを通じて情報が伝わった。
外務省が目をつけるのは、「コスプレの集客力」だ。主催するテレビ愛知によると、各国の予選が行われた現地のイベントの来場者は、中国で10万人、フランスで7万人、米国で6万7千人といずれも数万人規模。「歌舞伎など伝統文化イベントとは、(集客力が)2ケタ違う」と外務省の広報文化交流部長。