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【社説】独島はデモではなくシステムで守れ(上)

 米国地名委員会による独島(日本名竹島)表記変更問題が、米国側による原状回復の措置で一段落した。しかし韓国政府による独島外交を振り返ると、このような問題は今後もいつ起こるか分からないという事実は否定できない。独島政策を立案・執行し、日本の動向を監視する国としてのシステムがないからだ。独島はデモで守りきれるものではない。

 専門家は、外交通商部内に数人でもいいから独島問題を専門に担当する組織を構成する必要があると指摘する。しかし日本政府にも、独島問題だけを担当する組織や担当者はない。つまり政府組織だけの問題ではないということだ。

 世界で独島を表記するインターネットサイトや地図、印刷出版物をすべてチェックするのは無理な話だ。独島に影響を及ぼし得る国家機関も多く、関連する会議も常に開かれている。政府がこれらをすべてチェックして対応するのも不可能だ。政府や学界、社会団体、マスコミなどが力を合わせて対応する国家的なシステムが必要となってくる。

 政府は独島外交の中長期的目標を定め、一貫性をもって推進しなければならない。今回の問題を通じて、韓米関係がいかに重要かをすべての国民が実感できた。しかし韓中関係や韓日関係のない韓米関係もあり得ない。今後は北東アジアのライバル関係を、部分的な協力関係へと転換させることのできる安全保障・外交構想を確立することで、日本がこのような雰囲気を破壊してまで独島問題で挑発できないような枠組みを作り上げる必要がある。

 現在海外で行われている独島についての広報は、政府に対しては海外文化広報院が、民間レベルでは東北アジア歴史財団が担当している。東北アジア歴史財団の予算だけで毎年200億ウォン(約21億円)だが、その成果がどの程度なのか担当者本人たちもよく知っているはずで、要するに何の成果も出ていない。政府は独島広報のシステムも全面的に再チェックする必要がある。

【ニュース特集】独島問題

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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