●不思議と共通点のある吉原と堀之内●
	吉原と堀之内、どちらも個室高級サウナを中心としたてぃんくる街で、意外と共通点も多い。まずどちらも、駅（日比谷線三ノ輪駅、JR川崎駅）から歩ける距離にあるけれど、あまり近いとはいえない場所にある。女のコは通勤に駅からタクシーを使う場合が多く、店はお客さん向けに駅まで送迎車を出すサービスを行っている。そして飲食店が密集した繁華街から少し離れている点も共通している。ごく普通の住宅街、町工場も点在するような街角を曲がると、突如、大型風俗街が現れる一種独特の雰囲気があるのだ。 　その集客の背景として、吉原近辺には浅草という街があるけれど、浅草に頼った感じではなく、他地域からわざわざ吉原に来る人が多いようだ。一方、堀之内は京浜工業地帯が近くにあり、帰りがけの男性社員の来店が大きい。また川崎競馬場の存在も大きいと思われる。そのせいかリピーターが多いといえそうだ。 　街の構成として、吉原は個室高級サウナ街として特化されており、近くには情報喫茶、女性用宿泊ホテル、出前対応のお弁当屋さんも多い。深夜営業の化粧品店、エステ、マッサージ、ネイルサロンもある。堀之内近隣は、高層マンションが多く、ベッドタウンの側面を持ち合わせている。 　ちなみに偶然なのだけれど、どちらの街もすぐ近くにプロ野球の「千葉ロッテマリーンズ」の前身チームのホーム球場があったのだ。これも、ある意味、庶民文化が盛んだった地域の象徴ということかもしれない。

せっかく働くなら日本一の街、 吉原の高級店で働こうと上京しました 浅岡 マリさん　２３歳 月収ヒミツ 　吉原といえば、その知名度は全国区。その名前に惹かれて地方から遊びに来るお客さんも多ければ、地方から働きに来る女のコも多い。「恵里亜」で働くマリさんも、働くなら吉原と決めて上京してきたという。東京にはほかのてぃんくる街があるのを知っていても、吉原以外は比べようとも思わなかったそうだ。 　「名古屋にいると、吉原のいいうわさが入ってくることが多くて、格上のようなイメージがありました。近くにある金津園のほうがなじみはあるのに、吉原のほうがずっと特別な気がして。多分、今も名古屋で働くコには同じイメージを持つ人も多いと思います」 恵里亜（個室高級サウナ） 台東区千束４-２５-１０ ０１２０（７４）００７１ http://www.y-eria.net/		歴史と風情のある地域だから、 お店のシステムもしっかりしています 楓さん　２1歳 月収約１５０万円 　数々の映画や小説の舞台にもなっている吉原。文芸的に描かれることもあってか、この街に憧れを抱く人もいるようだ。「嬢王蜂」で働く楓さんは、意外なほど風情が残っている街だと驚いたそうだ。そして、やるからには中途半端にしたくないからこそ吉原を選んだという。 　「有名だし、歴史のある街なので、お店のシステムもしっかりしている気がしたんですね。面接で話を聞いたら、安心して働けそうだったので入店を決めました。高級店であることと、女のコを新規で集めるので、新人ばかりで働けるのが魅力ですね」 嬢王蜂（個室高級サウナ） 台東区千束４-４１-２ ０３（３８７１）８０８１ http://www.jyooh.net
少しでも貯金につながるように、 駅から歩ける堀之内に決めました 高原さん　２１歳 月収約１８０万円 　職場である以上、その通勤スタイルもお店選びには重要な問題。「ヤング別館 イレヴンＰＭ」で働く高原さんは通勤を考えて堀之内を選んだという。 　「正直、吉原か堀之内かで迷いました。だから決める前に少し調べてみたんです。まず、堀之内のほうが仕事がソフトっぽいという話を聞いたんですね。それから吉原の通勤はタクシーが主流って聞いたんです。お金を貯めるためにこの仕事についたのに、毎日タクシーを使うんじゃもったいないって思ったのが、堀之内を選んだポイントでした」 ヤング別館　イレヴンPM（個室高級サウナ） 川崎市川崎区堀之内７-１７ ０４４（２００）０１７９ http://www.younggroup.co.jp		固定客をつかみやすく、 やりがいのある場所です えりなさん　２０歳 月収約１２０万円 　吉原と堀之内を語るうえでよく言われるのが、「恋人接客の吉原、お仕事接客の堀之内」ということ。女のコでも恋人接客は恥ずかしくてできそうもないけど、攻めの技術でなら頑張れると考えることも少なくない。「レディースパーラーJJ」で働くえりなさんも同様だったと言う。 　「接客で男の人にベタベタ甘えるのって、照れくさくてできないですね。それよりお仕事を頑張るほうが気が楽。堀之内は逆にそういうプレイを楽しんでくださるお客様が多いと思います」 レディースパーラーJJ（個室高級サウナ） 川崎市川崎区堀之内３-１２ ０４４（２１１）０３８７ http://www.jj-room.jp

取材・文／星野 憲由　撮影／矢島 幸紀