夏ダイコン204トン廃棄 市場価格低迷で(2008/08/01)
 夏ダイコンの市場価格低迷で、農林水産省は三十一日、JA全農の要請を踏まえ、青森県内で関東向け二百十トンについて緊急需給調整を実施する計画を発表した。これを受け全農県本部は同日、上北地方の二農協で、生育中の二百四トンを出荷せず廃棄する方針を明らかにした。収量調査後、早ければ八月上旬に実施する。
 全農県本部によると、十和田おいらせ農協が百四十四トンで、内訳はおいらせ町百石地区七十六トン、同町下田地区六十八トン。また、おいらせ農協は三沢市で六十トンを廃棄する。
 県産夏ダイコンは七月中旬以降、関東市場で一キロ当たり六十円前後で取引されている。天候に恵まれ、生育が良いため出荷が集中しているほか、販売不振が続いている。前年同期より二十円前後も安く、緊急需給調整の発動基準である七十円を下回っていた。
 緊急需給調整を実施した場合、生産者には基金から一キロ当たり三十九円の出荷調整費用交付金が支給される。二百四トンすべてを廃棄した場合は、七百九十五万六千円となる。
 県産夏ダイコンは今後、出荷のピークが過ぎ、出荷量が減少する見通し。全農県本部やさい花き課は「急激な価格の好転は期待できないが、緊急需給調整も実施するので、値上がりしてほしい」としている。
 県内での緊急需給調整は、二〇〇六年に秋冬ダイコン五百二十五トンを産地廃棄して以来。今回の産地廃棄について、同課は「生産者にとってやむを得ない苦渋の選択だった」としている。

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