今回、特に率直だなと感じたのは診療関連死因究明制度をめぐる次の部分です。岡井さんは「刑事罰だけは間違いです。個人に刑罰を科しても事故の再発防止という医療の向上には全くつながりませんから。逆にそれが,社会にどんな悪い影響を及ぼしているか」と多くの医師の声を代弁します。厚労相は「業務上過失致死という罪が日本の法体系にあって,医師だけをそこから免責することには国民的な合意がないといけません」「医師と看護師だけを除外するわけにはいかないのです」「岡井先生のおっしゃることはよくわかります。それを国民に説得するための努力は,医療提供者側がやらないと駄目だと思います」と返しています。
私も昼間はマスメディアの内側にいますから、厚労相の言っていることはよく分かります。最近のマスメディアに対して「医師の肩を持ちすぎる」との批判が読者からかなり多いのです。同じような声が厚労相に届いていると思えます。どう評価するかは別にして、これがいま現在の現実です。
先月、書いた「医療崩壊と医師ブログ林立、勢いと隘路」のコメント欄には、医師ブログ主流に常駐と思われるコメンテーターから、お相手できないようなコメントが多数飛んできました。一騒ぎが終わって、現在、大賑わいの医師ブログはいわば「裸の王様」状態であると気付きました。取り巻き連多数の、小さなコップの中にいて、厚労相の問題意識にあるような「国民に説得」が出来ようはずがありません。
医療崩壊は必然、崩壊してから後のことを考えるのがスマートなのだ――と主流派はお考えのようですから、厚労相の問題意識など毛の先ほども気にしていないとは思っています。私はいまや医師ブログの多くに期待していない立場に変わっていますので、はっきり言いますと、医師ブログのコメント欄では医師でないのに医師を装って発言している人が相当数いるようです。先日の騒ぎのアクセスログを見ていると、1、2時間に1回も見回りに来ている方が相当数いました。そんな暇なお医者さんはいませんよね。そういう醒めた目で医師ブログや関連ブログのコメント欄を見ると、不毛な議論が多く、敢えて時間を掛けて読む必要なしと思えてきます。
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