医師不足が深刻化している蒲郡市民病院を、市民ぐるみで支援する「応援団」設立の動きが同市で進んでいる。病院の現状を市民に知ってもらうことで、医師を悩ませる「コンビニ受診」などを抑制し、診療環境を整えようという試み。7月31日夜には発起人らによる会議が開かれた。
同病院では昨年、医師の減少で消化器内科と心療内科を休診。産科などで診療を制限している。病床利用率が落ち込み、今月から三百八十二床のうち六十床を休床した。
常勤医は現在、四十二人。「とても足りない」(石黒敬一病院事務局長)と、県内各地の大学病院に医師派遣を要請しているが、増員の見通しはない。長時間勤務など医師の負担が増し、過重労働が病院を離れる要因にもなっている。
「市民まるごと市民病院応援団」(仮称)は、医師の働く環境改善に市民側から協力できないかと市が発案。働き掛けに応じた自治会や老人クラブ、小中学校や保育園の保護者など関係六団体が発起人として参加した。
三十一日に市民会館で開かれた発起人・役員拡大会議には約八十人が参加。石黒事務局長は「昼間来ると込んでいるので夜来る、というような使い方はやめてほしい」と訴えた。
かかりつけ医をつくる▽休日・夜間の救急利用は控える−といった呼び掛けを盛り込んだ設立趣意書についても議論。団長を務める前市総代(自治会)連合会長の坂部哲雄さんは「何としても市民病院を存続することが市民最大の責務」と決意を述べた。設立総会は今月三十日開かれる。
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