医師確保 産科再開へ 十和田中央病院青森県十和田市の中野渡春雄市長は1日、常勤医不在のため、2005年4月から産科を休止している市中央病院で常勤の産科医を確保し、11月1日に産科を再開させると発表した。産科医の常駐に伴い、通常分娩(ぶんべん)を助産師が扱う「院内助産院」も開設する。3年7カ月に及ぶ十和田地方の「産科空白域」状態が解消される。産科医は50代の男性で、臨床経験も豊富という。9月1日に着任し、準備が必要な産科に先立って同日、婦人科を再開する。 新設する院内助産院は助産師20人前後の体制で、リスクの低い通常分娩に対応し、医師の指導の下で超音波検診にも当たる。毎月20件程度の出産を扱う予定。助産師4人を新たに募集し、既に導入している八戸市民病院などで分娩実習に取り組む。 十和田市中央病院は年間400件以上の分娩を扱っていたが、東北大が産科医を引き揚げた05年3月末に産科を休止。同年10月に助産師が外来患者の検診などに当たる「助産師外来」を設けたが、常勤医不在に対する不安から、開設後の利用者はわずか3人にとどまっていた。 十和田市内の妊婦の多くは、三沢市三沢病院や国保五戸総合病院(青森県五戸町)などに通って出産せざるを得ない状況だった。三沢病院でも今年10月から産科体制を縮小する方針を決め、中央病院の産科再開が待たれていた。 中野渡市長は記者会見で、「市民の不安はひとまず解消されると思うが、引き続き医師確保に全力を尽くし、安心してお産ができる環境を整えたい」と話した。
2008年08月02日土曜日
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